アニメ化もドラマに映画と実写化もすべてやりつくされてしまっている王道の作品になってしまうのですが、今でも一番のお気に入りの作品です。未読の人には男女とわず年齢とわず是非読んでほしいです。
ハチミツとクローバー(通称ハチクロ)は漫画の宣伝帯には全員片想いとあり少女漫画の印象が強いのですが、恋愛成分よりも大学生活から社会人になるまでの青春ストーリーメインです。
同じ羽海野先生の作品の3月のライオンも同様なのですが、キャラクターの成長してきたバックグラウンドから描かれているのでその性格がつくられるまで、本当によく話がつくられています。
どのキャラクターに感情移入して読んでいくかで、感動するポイントも変わってくるので読み返す度に違うその時々自分の状況にあったキャラクターに感動させてもらえます。
お気に入りの話やおすすめしたい感動する話は、たくさんあるのですが主人公がでてくるキャラクターのなかで一番平凡です。そのため竹本くんの悩みのいちいちが共感できることばかりで、泣かされます。
竹本くんが自転車の自分探しの旅にでるのですが、その旅に出るまでの葛藤がみんなが一度はとおる経験でページをとじたくなるような恥ずかしさや辛さやいたさに胸をつかまれます。
竹本くんの片想いの相手のはぐちゃんと彼女あ惹かれていく森田さんの二人の才能を目の当たりにして自分の平凡さを思い知らされたり、就活での失敗や自分研究で暗い気持ちに落ちていってしまう様子がページをめくるごとに痛くて自分の経験がフラッシュバックしてくるようで泣かされました。
旅の途中でいごこちのいい居場所を探して落ちつこうとする竹本くんに、先輩からの厳しい言葉も自分に言われているようでぐさっときました。
竹本くんが泣けば自分も泣いてしまうくらい感情移入して読んでしまいました。
自分探しの旅からかえってきて成長している竹本くんですが、だからといってそのままハッピーエンドとならないところもこの作品がリアルでいいところです。
羽海野先生の作品は名言が多く、真山のセリフはとても心に残るものがありました。
真山はキャラクターのなかでは一番始めに社会人にはり皆のお父さんキャラです。
真山の「好きな女が困った時に、なにも考えずに休めと言えるくらいはもっていたいんだ(お金を)」「チャンスがきたときにできるかどうかは、(お金が)あるかどうかにもあると思う」なんて少女漫画とは思えないような、お金や仕事に関しての名言が多いです。
真山を見習ってがんばらねばと思わせてくれます。(こういうことを言える男の人がかっこいいとか、言ってほしいなんて思わないところが可愛いげがないかもしれませんが。)
もちろん、そんな大人な名言をする真山でもこと恋愛においてはからまわりばかりで、ダサいことばかりしてしまっているのも、これまたリアルでおもしろいです。
真山に恋する山田さんの話は、少女漫画王道のようでモテる女の子なので好きな相手には振り向いてもらえず。
でも時々優しくされては、どきどきしてしまったり、そんな山田さんにいじわるしながらも振り回してくれる大人な野宮さんとこれからどうなるのかなとどきどきしてみたり。
山田さんの話は恋愛漫画として楽しめます。キャラごとの話がしっかりしてるので、漫画が終わってからもどこかでずっと続いているようです。(武蔵野美術大学や浜田山など実際にある場所を書いているので、聖地巡礼もできますよ)
ただスピンオフ作品でみるなら、その後の話よりも学生時代のこぼればなしとかがいいかな。
ちなみにアニメは絵も音楽もいいので1期2期合わせて、漫画と一緒にこちらも是非みてほしいところです。