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結末

おまけの小林クン 最終回 16巻 ネタバレ注意

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おまけの小林クン、最終話 完結16巻 感想

※ネタバレ注意です※

家族と友人について考えさせられる内容です。主人公の男の子は幼い頃に家族を事故でなくしていて、人とのお別れを特に怖がっていました。が、クラスの仲間と共に過ごしていく中で、人を信頼するということを、実感していきます。

はじめはクラスの一匹狼的存在だった皆をまとめて、笑顔で引っ張ってゆく、その中でクラスがまとまってゆき、みんなが主人公の男の子を大切に思うようになります。大切で失うのが怖いからと、クラスの仲間と一定の距離を保つ主人公に、全力で関わろうとする人たち。深い関係を持つことを諦めないで、というのが全体を通じて伝わってきます。

特に心に残っているのはオマケの中にも、アタリがあるという台詞です。主人公の男の子ははじめこそ自分に自信がもてませんでした、自分の事をオマケだと思っていたのです。しかし、最終話の中で「大人になりたい」と言えるまでに成長しました。みんなと住む場所が離れてしまっても、生きていればずっと仲間でいられるという自信が、彼を強くし、将来の夢へ導いていったのではないかと思います。

僕なんて、という彼が誰かの役に立ちたい、人助けをしたい、そう思うようになったのは、やはり仲間との関わりの中で生まれたのではないでしょうか。
当たり前に行っていることが、特別なことで、尊敬されることもあるということを、彼は友人たちから学びます。

例えば耳の不自由な方との会話や、小さい子達との関わりなどを経て、自身の将来の姿を思い浮かべるようになります。

さらにこの話では登場するキャラクターそれぞれが個性的で魅力的であり、どのキャラクターにも過去があり、感情がきちんと感じられます。表情が豊かで、作画が大変細かく、吹き出し以外の書き文字も読み応えがあります。恋愛要素もありますが、それよりも人生観のようなものを感じます。

つらい過去もあるのかもしれないけれど、振り返ると幸せだったと思えるような、そんな最終話でした。

クラスの仲間たちが本当に優しくて、みんながこの主人公の男の子を大切に思っているのが紙面を通じてですが感じられます。高校生という人生について、自分のこれからの進路について考える時期に、このような仲間たちと過ごせるというのは、貴重な体験だと思いました。

それまでも、もしかすると彼はこういう仕事に進みたいのだろうかというような場面がありましたが、最終話でようやく主人公自身が、言葉で表現出来るほどに、まだ生きていたい、命は亡くなるだけではなく、生まれて育っていくものだと、実感したように思います。

クラスの仲間に見送られてのお別れのシーンでは、今までの彼では考えられなかった、自身が諦めなければこれっきりで終わりではないという、前向きな気持ちを感じられました。

生きていれば、世界も未来も繋がっていて、いつかまた会えるというのは、大人になれば体感するのですが、なかなか彼らくらいの年齢では、そこまで想像するのは難しいかもしれません。

高校を卒業して地元を離れる人、そのまま留まる人、そういうお別れの場面には、わたしたちも遭遇すると思います。

「おかえりなさい」の場所と呼べる、ホームのようなものが、主人公の彼を強くしたようです。

そのホームを持つことが出来たのは、彼自身が辛い過去を乗り越えて、人と関わる中でたくさんの気づきを得たからだと思います。仲間とのこれまでの出来事が思い返されて、とても感動し、勇気をもらいました。

最後、同窓会の場面があるのですが、みんなが主人公と会えるのを楽しみにしている様子が描かれていて、ここがホームなんだなぁと実感しました。お話はここで終わりですが、彼には今後も幸せになって欲しいと思う作品でした。


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