Bread&Butter ブレッド＆バター 37話 9巻芦原妃名子先生ネタバレ注意

投稿日：2019年9月1日

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Cocohana(ココハナ) 10月号　Bread&Butter　ブレッドアンドバター、37話　感想

※ネタバレ注意です※

店の片づけをしていた洋一は、しまったままだった宇宙パンを見つけました。

非常食として保存していたその缶は、とっくに賞味期限切れ。

ここ数年、洋一には毎日色んな事があり過ぎて、すっかり忘れていたのです。

そして現在も、洋一は大きな変化を迎えています。

「原文具店」にあった一部の機械は、柚季が箱根でオープンさせる予定の店で使う事になり、移動。

そしてお店は、買い取ってくれた夫婦によって「ビストロ」に生まれ変わるのだそうです。

厨房を気に入ってくれて、冷蔵庫や流しもそのまま使ってくれるらしい、と嬉しそうな洋一。

良い人達に譲れてよかったと、心からホッとしているように見えます。

お店の中を眺め、「森文具店」の時代から過去を振り返っている洋一は、「原文具店」が誕生した時の事、パンを焼き始めた時の事、たくさんの人に食べてもらえるようになって柚季と出会った時の事を、思い出していました――――

柚季から洋一に連絡が入り、今のお店を退職する日が決まった、と報告が。

『これでもう引き返せない…！！』『新しいパン屋のオープン！！がんばる！！』

『あと、新しいパン屋の店名も決まったよ』『「Bread&Butter」』

五十嵐さんの前のお店の名前を、そのまま引き継ぐ事に決めました

『英語でこんな意味があるそうです。』

「生業」「生活の糧」「生計の手段」　「なくてはならないもの」

“何とか”　“この仕事で食べていけますように”

切実な願いを込めて　――――それから、誰かの、生活の片隅に、そっと寄り添えますように

期限切れの宇宙パンを持って仕事場に戻った洋一は、アシスタントさんに「そもそもなんで宇宙パンなんて買ってたんですか？」と質問されます。

「あ――――…　原文具店でパン焼き始めてしばらくした頃に…　ホラ震災があったから」

余震が続いていた当時店のお客さんに、食べ物のストックが沢山ないと不安になるから長持ちするパンが欲しい、というような相談をされたのです。

その時に見つけた缶詰めのパンが、宇宙パンでした。

最初は買う気がなかった洋一ですが…、純さんと “サンドイッチを宇宙空間に持っていったらどうなるか知ってる？” という会話からスタートしてアメリカ旅行の約束をした事について思い出し、宇宙パンを購入。

（………　とりあえず、保存しておいて、一年後に、開けて食おうかな）

（きっと一年後、あの罪悪感を思い出しながら、オレは　この缶を開けるんだろう）

（そう思ってたのに）

その後、アシスタントさん達が帰り 1人になった洋一は、柚季と出会ってからの事を思い出し、振り返ります。

純さんと約束したアメリカ旅行を結局は果たせなかった事、純さんは結婚したい意志を見せていたのにスルーしていた事、純さんが抱えていた気持ちに気づかなかった事…。

柚季と出会った頃の洋一は、純さんへの罪悪感でいっぱいでした。

でも、柚季の美味しそうにパンを食べる顔だったり、結婚する事を決めてから紆余曲折あったけど乗り越えその度に柚季と向き合えてきた経験が、洋一の気持ちを変えたのです。

（閉じ込めたままの感情も、パンが発酵するように　ゆっくりと、やがて昇華する）

（今、こんなに穏やかな気持ちで、君と向き合えるなんて、想像もしてなかった）

たまたま見つけた宇宙パンが、洋一の過去と今を繋げてくれていましたね。

沢山これまでの事を振り返り、思い出し、柚季のおかげで変われていたから、洋一はようやく、純さんとも向き合えたんだなぁ…と思います。

写真をありがとう、結婚おめでとう。シンプルなメッセージだけど、純さんの心には洋一の気持ち、ちゃんと全部届いてくれるのではないでしょうか ^_^。

さて、柚季と五十嵐さんの新しいお店のオープンが近づいていてドキドキですし、柚季の元・生徒すみれちゃんが原文具店の写真をあんなに撮って一体どうするつもりなのか、気になりますね！

次回は 12月号になるのでしょうか。38話を読める日が今から楽しみです！！！＊^▽^＊