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さあ 秘密をはじめよう 全7巻 感想とご紹介

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まず、主人公の水浦真衣がとても好きです。

芯が強く、気配り上手で相手を思いやる心がある女性、と言葉で書いてしまうと、響きにくいかもしれないです。

現代の初対面の人に自ら声をかけるのに抵抗のある世相からして、初めて会う目の前で寝ている人に対して、いつ起こせばいいのかを聞く、ということは勇気の必要な行動のように思えますが、それをさらりとできてしまうのが、彼女の行動力のある面だと思います。

そこで出会った加藤知哉が一目ぼれするのも頷けます。

また、その加藤知哉も、とても魅力的な男性です。

仕事にストイック以上にストイックで夢中であり、他を寄せ付けないオーラを放ちながらも一目ぼれした真衣に対してはまっすぐで一途で素直な面を出すという人間らしさがあり、読んでいる私自身が恋をしてしまいそうなぐらいカッコいい男性だと感じました。

この漫画の注目点としては、社内恋愛が禁止の会社で恋愛をする男女、です。

加藤に迷惑をかけたくないと真衣は必死で自分の気持ちに抗おうとしますが、加藤はそんなリスクさえも真衣を失うよりはいい、と愛情深く向かっていきます。

その一直線な気持ちはルールを破ることになろうとも真衣を守っていこうという加藤の誓いのようなもので、私自身とても安心できるシーンでした。

恋愛漫画にはつきものの、ライバルの登場ですが、加藤に負けず劣らず仕事に優秀な神野の登場からはさらに展開が面白くなります。

同時に加藤の元彼女のキャリアウーマンである小日向も登場し、恋愛禁止の会社内でよくもこれだけこじれるなと思うぐらいの恋愛模様が絡み合っていくところが一番面白かったです。

仕事で神野の補佐をする立場となった真衣が、彼氏である加藤ではなく、神野を庇った場面では、加藤の悲しさに共感はするものの、仕事にも一生懸命な真衣なら庇っただろうなと思いつつ、私でもそうするかもしれないと思いました。

結果、いつも割とクールぶっている加藤が拗ねるような可愛らしい場面もあり、女心もくすぐられました。

この漫画が、私が持っているどの漫画よりも私を夢中にさせたのは、一人一人の登場人物の心の描き方が綿密なところです。

ただただ明るいキャラ、とか意地悪なキャラ、で終わらせるのではなく、長所も出しつつその人の裏の面や弱い面などもすべてさらけ出し、さらけ出すだけではなくその人がさらに成長できるような事柄が出てきて、展開のなかで読者をすっきりとさせてくれる描写が多々あるからです。

主人公と相手の人だけではなく、先述したライバルたちでさえ、主人公たちに絡んで終わり、ではなく、その後どのようにライバルからいい関係になり消化していったかまでが丁寧に描かれているので、最終巻まで読み終わった後、とても清々しい気持ちになれるのです。

物語のラストは、二人の恋愛が会社に発覚してしまうという最大の窮地に始まります。

そこでは、これまで二人が関係を築いてきた会社の人たち皆が、真衣の味方をします。

仕事の都合で海外にいる加藤がいなくても、真衣を守ってくれる人たちがたくさんいることで、加藤は自分のやりたい仕事ができる、という恋愛面だけではなく社会面で二人が確立してきた関係の集大成が現れます。

恋愛漫画なのに、べたべたした終わり方ではないです。

結婚を示唆しながらも、結婚式のシーンでハッピーエンド、という終わり方ではなく、ただ、これからも末永く二人の関係も周りの良い関係も続いていくのだと感じさせてくれる結末に、私は喜びの涙が止まりませんでした。

少し大人な社会人、社内恋愛に憧れを持つ人、私のようにただただ恋愛漫画を読んで胸をときめかせたい人にも非常にお勧めの、1巻から7巻まで一気に読めてしまう漫画です。


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