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フルーツバスケット 6巻 ネタバレ注意

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少しずつ信頼関係を築いていった草摩家の人々と透の前に、夾の師匠という男性が現れます。

師匠は今まで他人に対して心を閉ざしていた夾の雰囲気が変わった事に気付き、それが透の影響だということ、透ならもしかしたら”本当の夾”を受け入れてくれるかもしれないという期待や打算を胸に、透の前で夾を”本当の姿”にします。

十二支の呪いにかかっている草摩の人間の中でも猫憑きだけは特別なもので、普段の異性に抱きつかれた時の可愛らしい動物の姿ではなく、力を封じている数珠を外すと、恐ろしくて異臭を放つ異形の姿になってしまうのです。

夾はその姿で今まで深い傷を負ってきたので、折角普通とは違う自分を受け入れてくれそうな透との距離が縮まってきていたのにその平穏を壊され、透にも拒絶されてしまうことを恐れて抵抗しますが、師匠は容赦なく2人に現実を突きつけます。

逃げ出す夾と、戸惑う透。透は夾をわかったつもりでいながら表面的なことしか知らなかったと思い知り、本当の夾の姿に怯えてしまいますが、それでもこれまで夾と過ごしてきた日々を振り返り、夾の本当の優しさや不器用さを想うと、ただがむしゃらに夾を追いかけることしか出来ませんでした。

やっと見つけた夾は怒りや悲しみといった負の感情を透にぶつけ、怪我もさせてしまいます。

それでもそんな姿の夾に近付き、その姿の夾は正直怖いと思うこと、それでも夾を大切に想い、これからも一緒に過ごしていきたいということを泣きながらも必死で訴えます。

そんな透の言葉や姿に、上っ面だけの綺麗事を並べて受け入れたふりをされるのは嫌だったこと、怖くても自分と向き合ってくれる人が必要だったことを吐露し、やっと求めていた対応をしてくれた透にすがるように抱きしめます。

本当の自分をきちんと見て欲しかった、目をそらさないで欲しかったという願いを、透が叶えてくれた瞬間です。

つらい過去を透が浄化してくれたような、夾にとっても透にとっても特別な出来事となった今回の件で、2人の間には今までにない感情や絆が生まれるのですが、その様がとても美しくて自然で、2人が惹かれ合うのに充分過ぎる出来事だと思いました。

ここから夾の透に対する接し方が変わっていきますし、透からも夾との距離が少しづつ近付いていく描写が増えるのも魅せ方がとても上手です。

師匠と夾の関係も一歩進んだものになり、ここから夾の周りの世界がだんだん明るいものになっていくのが読み手にも伝わりやすく、とてもいいエピソードだったと思います。

この作品は全編を通して心に訴える描写が多い感動作ですが、その中でも6巻のこの話は特に好きなエピソードです。


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