弁護士になりたいと言う夢を叶える為、超金持ち高校である桜蘭高校に入学した、貧乏学生の藤岡ハルヒが主人公の物語です。そこには「ホスト部」と言う一風変わったクラブ活動がありハルヒも不本意ながら部員として活動をすることになります。ハルヒの性別は女性なのですがホスト部以外の生徒には男性として、性別を隠して生活をすることになります。秘密を共有し、共に過ごす中でホスト部のメンバーはハルヒに友情以上の感情を抱くようになります。その中でも特に私がおすすめしたいのは常陸院兄弟です。常陸院兄弟とは双子の兄弟の光、馨と言うハルヒと同学年の少年のことです。そっくり過ぎる双子故に親でさえ区別がつかない2人ですが何故かハルヒは見事見分けてみせます。そんなハルヒに2人は心惹かれていきます。ハルヒが好きだとすぐに顔に出てしまう光と、光より大人でその想いを押し殺してしまう馨。そんな2人のお互いへの想い、ハルヒへの想いが切なすぎて読みながら涙が溢れ出てしまいました。切ない中に愛情や友情を感じる事ができ、桜蘭高校ホスト部は今まで出会った少女漫画の中で1番心惹かれた作品です。また、恋愛事以外にもそれぞれのキャラの抱える悩みや、メンバーに対する思いなどが巻を進めるたびにでてきて、読めば読むほどキャラクターが愛おしくなってきます。そのなかでは特に埴之塚光邦と言うキャラクターが好きです。埴之塚光邦とは武道家の息子でその道に長けている中、可愛いものが大好きで小柄の少年です。光邦は昔から可愛いものや甘いものが大好きのですが武道家の息子と言うこともありそれらを禁止されていました。好きなことを押し殺して丹念に励む日々、そんな時にホスト部の部長である須王環が好きなものはそれでいいじゃないかとホスト部に誘ってくれました。その言葉に光邦は救われたのではないかと思います。その事もあってか、1番見た身が可愛らしく子供の様な光邦ですが、誰よりも周りの人のことを考え、助けることが出来る優しい少年です。そんな彼が大好きです。
そして最後に主人公の藤岡ハルヒの紹介をしたいと思います。男装をしてホスト部に入ることになるハルヒですが彼女の登場でホスト部は大きく変わることになります。みんなが抱えていた過去やトラウマ、悩みなど何故かハルヒはさらっと解決に繋がる発言をすることが多いです。さばさば、さっぱりとした性格のハルヒですがそれ故に、深く考えず事の真意を伝えられるのではないかと思います。しかし逆に周りに相談したり助けを求めるのが無意識に苦手なハルヒ。自分が危険な目にあったのにも関わらず、皆が自分のことを心配していると気づかなくて喧嘩になってしまったと言うシーンもありました。そんなハルヒを救おうとするホスト部の団結力や愛情もこの作品の見どころです。また普段は何方かと言えば女の子らしさはあまり出さないハルヒですが、たまに出る可愛らしさについ頬が緩んでしまいます。やっぱり女の子なんだなぁと暖かい気持ちになれると思います。
ストーリー重視の切ないお話ももちろんですがギャグ路線の思わず笑ってしまうようなお話も多くあり、とても読みやすいです。桜蘭高校ホスト部はアニメ化もしており、動くキャラクター達を見ることもできます。声優さん達もキャラクターにピッタリでよりホスト部を盛り上げてくれているのでそちらも是非お勧めです。漫画、アニメ共に隅から隅までとても綺麗な絵と素敵なキャラクター、素敵お話と何度も見たくなる面白い作品です。何度読み返しても全18巻ですがあっという間に読んでしまいます。おそらくこれからも1番好きな少女漫画はと聞かれれば私は必ずこの作品の話をすると思います。
