もくじ
14話 月刊 flowers フラワーズ 9月号
今回は、主人公の横辺建己が、数学の勉強法を探し求めるという内容でした。
物語は、数学の講義の速度に圧倒される横辺のようすから始まります。横辺がひたすらノートをとっているので、少しは数学の勉強に慣れてきたのかな、良かったと安心しました。しかし、実は先生の話と板書が速すぎて、ただ書くことしかできなかったという落ちにはがくぜんとしました。
横辺の所属する数学専攻では、2限から5限までぎっしり数学の講義が入っています。平日の午前中から夕方までが、代数・幾何・微分積分で埋めつくされるというのは、よほど数学が好きか、得意でないと大変そうだなあと思いました。
ノートをとるのがせいいっぱいで、内容の理解に至ることができなかった横辺は、悩みます。部屋でぐちをもらす横辺の窮地を知ってか知らずか、同居しているだんご(犬)が後ろから見ているコマが面白かったです。勉強に追われて辛いと、授業や試験がない動物がついうらやましくなることもあるだろうなあと思いました。
追いつめられた横辺が、他の学生たちがどのように勉強しているのかを知るために、ひとりひとりを尾行する場面が面白かったです。
横辺が影から見ていても、北方・猫田・夏目・平坂の全員がごくごく普通に生活をしていて、勉強しているそぶりをまったく見せないという流れには驚きました。
しびれをきらした横辺が全員を集めて勉強方法を聞くと、実は意外な方法が浮かび上がってきます。聞いた後は確かにそれしかないだろうなという方法なのですが、実践するとなると思っているよりは難しいだろうなと思いました。
結局、勉強というのは誰かに聞いてできるようになるものではないのだなあと思いました。自分で実践を積み重ねていって、やっとひとつのことができるようになるのだろうなと思いました。
最初は数学にまったく歯が立たなかった横辺も、仲間と一緒に過ごすことで、だんだん数学を勉強するための力が身についてきていると思います。今後の横辺の成長が楽しみです。
15話 月刊 flowers フラワーズ 10月号
今回は、主人公・横辺建己といつも一緒にいる大学生・北方創介が主役になった回でした。
いつもの展開だと、創介は苦悩する建己にツッコミを入れたりアドバイスをする役割です。通常は脇の立場にいる創介が主役の立場になることで、創介の考えがよりよくわかる内容になっていました。
数学の問題についても、建己と創介だと取り組み方がまるで違っていました。おろおろしがちな建己に対して、創介は冷静に考えるという態度をとります。
誰が主役になるかで話の印象が変わるのが面白かったです。他のメンバーたち(猫田賢・夏目まふゆ・平坂世見子)が主役の回や、番外編もぜひ見てみたいと思いました。
今回印象に残ったのは、女子中学生の厚田沙耶です。なぜ大学生が主役の漫画に女子中学生が登場するかというと、創介が沙耶の家庭教師になったからです。
沙耶の家に創介が現れた場面では、いつもの創介とは正反対の表情と服装だったので驚きました。
素の姿をいつわっている創介に対して、沙耶が強い警戒心を抱くという展開が面白かったです。沙耶の親は何の疑念も抱かないのに、沙耶だけが創介をあやしいと思う流れには、女の勘はすごいなあと思いました。
クールで強気な沙耶は、大学生たちにも負けない強烈なキャラクターでした。父親と母親も面白そうな人たちだったので、またどこかで登場してほしいと思います。