じゃのめのめ　最新話 / 10話

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

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「仏文のレポート 明日までだよね？」

「やばい 終わるかなあ」

「単位 落とすよ」

「あ　　そうだ みんな金曜 空いてる？　　合コンあるんだよね」

「私 ヒマだし行きたい！」

「椿ちんも行こうよ」

「金曜？」

「ごめん…」

「金曜は ワニ洗いだからダメだわ」

「え？ 何何？」

「じゃあ私　　もう研究室 行かなきゃ」

「ごちそうさま！」

「待って待って サッカーサークルとだよ？ イケメンくるよ？」

「イケメンでも…」

「骨が好みじゃなきゃ」

「椿ちんて 何の研究してるのかな？」

「同じサークルだけど 何学部だっけ…？」

「やった」

「やっと ここまで出た」

「ここまでで６時間くらいかかっちゃった」

「わぁ…」

「おつかれさまでした」

「きゃ――！！」

「あなた 誰！？」

「おっと」

「勝手に入ってきて何 考えてんの！？」

「えっと…」

「大昔の生物って どんな味したんだろうって」

「考えてました」

「きもーい」

「それで どうしたの？」

「私は笑顔になって」

「無言で お帰りいただいたわよ」

「何か言って刺されたらコワイもの」

「椿ちゃんが刺されたら 俺が骨格標本にしてやるから安心しな」

「美人を生かした きれいなやつな！」

「埋めて 煮て 洗って…」

「漂白 組立まで…」

「きもーい」

「待て高山 その前に解剖だろ　　死体も立派な標本だ」

「ちょっと待って　　この研究室には 傷を縫合したり止血したりしてくれる人は いないんですか！」

「いないね この斉藤研究室は生きてるの相手にしてるやつ いないもん」

「確かに」

「私の専門は動物形態学だしね」

「斉藤教授」

「でも 傷の縫合ならできるよ　　どれ」

「いえ まだ刺されてませんし」

「おっとコレってセクハラ？　　録音されてる？」

「大丈夫です」

「あのね　　今日“斉藤会” この後19時からね」

「はーい」

「斉藤先生が 斉藤会(飲み会)を開く時は何か自慢したいことがある時だね」

「今日は何かな」

「今日はみんなに紹介したい人がいます」

「はじめまして 菖蒲 瞬です」

「生物学科１年です」

「菖蒲くんは 僕の友人の息子でね」

「春まで高校生だったとは思えない程 優秀な若者だよ！」

「いつでも研究室に顔を出してね　　何か一言どうぞ」

「はあ」

「えー…」

「よろしくお願いします」

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