※ネタバレ注意です※
物語は、セイが油小路の変の後の凄惨な事件現場を目撃するところから始まります。
新選組により惨殺された伊藤先生や藤堂先生の遺体をさらし者にする副長のやり方に不満を覚えるセイ…。
しかし、よみがえった「武士沖田総司」を目の前にし、覚悟を決め、屯所へ戻ります。
屯所へ戻ったセイは土方さんに、沖田先生を新選組に戻すこと、元同志たちをさらし者にするのをやめることを頼みますが、なかなか聞き入れてもらえません。
その後、近藤先生の配慮により、沖田先生はお孝さんのところで療養することになり、セイ、密偵の特命を終え帰隊した斉藤さんとの再会を果たします。
さらし者となっていた4人の遺体は、土方副長の命により、斉藤先生が弔うこととなりました。
時は流れ王政復古の大号令が発せられ、新選組消滅の危機が訪れます。
吹き始める戦の風の中、セイは、病状の悪化に気づいた松本法眼に「沖田の子を産め」と諭されます。
赤子は希望だという事実に揺れる心。
しかし、セイは沖田先生と生死を共にすることを誓います。
武士セイちゃんの強くなった姿が、成長を感じさせるとともに切ない場面でした。
紆余曲折の末、なんとか新選組の名を残すことができた近藤たちは大樹公が大阪へ移ったのちの二条城警護を任され、その任が解かれた後、伏見奉行所に陣を移すことになります。
近藤先生とお孝さんとユウの別れ、永倉先生の隠し子、佐野さんとおマサさんの間に宿った新しい命という「妻子」を軸にしたそれぞれの別れの場面が描かれます。
そんな心温まる場面から一転、沖田が近藤の妾宅に身を潜めているという情報が伏見薩摩藩亭に漏れるという緊迫の場面でこの巻は終わりを迎えます。
なんとも先が危ぶまれる展開ですが、セイの女子としての心の揺れと武士としての覚悟が沖田先生との関係を進展させるのか否か、今後も楽しみに見守りたいと思います。