君の手が紡ぐ　最終回 / 結末

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

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「だ――― ギブアップ！！」

「も―― 走れねえ！！」

「それじゃー また私の勝ちだね」

「約束どおり帰りに ガリガリ君おごってね♥」

「翠！！　　オマエの体力 異常なんだよ」

「なんで２時間も走り回って バテねぇんだ」

『私の住んでる この島は　　東京に近い 小さな離れ小島』

『超田舎で ＴＶは３局しかうつらないし　　サンデーも少コミの発売も遅れがち』

『だけど 海と緑に囲まれた キレイな島です』

「しっかし もったいねーよな」

「翠 こんなにサッカーうまいのに　　この島 人数少ないから サッカー部もクラブチームもねぇんだもん」

「翠も物足りねぇだろ」

「毎日 ヘタッピなオレたちばっか相手にしてても」

「なんで？　　物足りなくなんか ないよっ」

「だって 私」

「こうして みんなと毎日ワイワイ サッカーするの」

「楽しくて仕方ないもん」

ポ…

「あ　　蚊にさされた」

ボリ ボリ

「あいつ あーいうトコさえ なきゃな…」

『山手 翠　彼氏イナイ歴１５年』

『趣味 サッカー　特技 サッカー』

『好きな言葉も サッカー　　家族構成 母１人 子１人』

「ぷは――♡」

「やっぱりお風呂上がりは 牛乳(コレ)にかぎる―――！！」

「こら 翠！！」

「裸で歩き回るの やめなさいって　　いつも言ってるでしょ！！」

【母 若葉(34)】

「いーじゃん　　別に この家 女２人しかいないんだし」

「そーいう問題じゃない！！　　将来 嫁のもらい手なくなっても知らないわよ」

「ほら　　早くパンツはいてくる！！」

「まったく　　顔は私似で かわいいのに」

「あの大ざっぱな性格は 父親ゆずりね」

『うちの母はシングルマザーってやつらしく』

『お父さんは誰だか よく知りません』

『でも さみしくはありません』

『大好きなお母さんがいてくれて』

『毎日 大好きなサッカーができるから』

「司くん」

「私 今でもサッカーつづけてるよ」

『私にサッカーを教えてくれたのは』

『３年前の夏休み　　東京から島に遊びに来てた男の子』

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