LDK、最終話 完結24巻 感想
※ネタバレ注意です※
お父さんの掟を破って、ついに葵と柊聖が結ばれたクリスマスの夜から始まる最終巻。
ドキドキソワソワして、どうしたらいいのかわからないでいる葵がとても可愛かったです。
今まで色んな弊害や、気持ちのすれ違いがあっただけに、結ばれた場面は本当に本当に嬉しく思いました。
そして結ばれたあとの柊聖が、葵の誕生日にあげた指輪をつけていないのを気にして、ちょっとすねるシーンが大好きです。
しっかり指輪をつけさせたりして、最終巻の柊聖はわかりやすくていいです(笑)
結ばれた翌朝の二人においては、幸せがひしひしと伝わってきてキュンとしました。
柊聖や葵の周りの仲間が、アメリカに行く予定の柊聖を送る会(第一回)を行う場面は、ホッコリしていて好きです。
第一回とあるので、そのあと第二回、第三回と何回もやるつもりだったのでしょうか(笑)ツンデレの翔太が可愛いです。
そんな幸せな時間も束の間、柊聖がアメリカに行く準備をどんどん進めていく様子を見て、葵の心の揺れようが手に取るようにわかりました。
本当はアメリカに行ってほしくない、離れたくないっていう葵の想いは、女の子ならだれでも同じ気持ちになるのではないでしょうか。
スカイプで相手の顔が見られるようになったとしても、相手のぬくもりも感じたいと思うのは当然です。
でも、二人の将来のためだと柊聖に言われた葵は、やっぱり我慢していまっていて、読んでいる側もどうにかしてあげたい!という気持ちで読んでいました。
そんな落ち込んでいる葵のもとへ、柊聖の兄である草樹が来て、「葵ちゃんの気持ちはどこにあるんだよ」「葵ちゃんと柊聖はどうなりたいの」と言い放つ場面はとても印象的でした。
この場面で草樹が出てきて、何を言うのかと思っていたら、この最終巻の核となる重要なことを言っていて、その役が草樹であることがとてもしっくりきました。
草樹も若いころに、柊聖を守れるような、柊聖に頼ってもらえるような男になるには自分が一人前にならないといけないと勝手に自分一人で考えて、柊聖から離れて海外で暮らすことを選択した過去がありました。
子どもの柊聖が、つらいとか淋しいとか言わないのは自分がガキだからと勘違いしてしまって、大人になるためには独り立ちしないといけないといった草樹の気持ちもわかりますが、柊聖には側で支えてくれる人間が必要だったようです。
そんな草樹の後悔から、葵にああいった言葉を言い、さらにはアメリカに行くために空港へ向かった柊聖を追いかけて、家族の形や昔の後悔、そして何よりも柊聖の周りには支えてくれる人や愛してくれる人がいっぱいいることを語り、最後に「俺だって…お前を愛していることをわすれるな!」と叫んだ場面は感動して思わず泣いてしまいました。
草樹好きにはたまらないシーンになったと思います。私も草樹のことが大好きになりました(笑)
そんな良いシーンのところで、葵が草樹を勘違いして殴るところはさすが渡邉先生のセンスで面白かったです。
そして、葵が離れたくないという自分の気持ちを柊聖に伝えて、アメリカ行きを引き留めるのだとばかり思っていたら、意表をついて自分もアメリカへついていくと行ったのにはびっくりしました!
でも、草樹の気持ち、葵の気持ちを知った柊聖も自分の気持ちをさらけ出すことができて、日本に残る決心をしたのは良かったのではないかなと思います。
最後までどんな決断をするのかハラハラドキドキでした。さらに予想外だったのは、柊聖が保育士を目指すことにしたこと(笑)ここまで予想外の展開を仕掛けてくるのは、やはり渡邉先生のすごいところだなと思いました。
最終巻では、葵の気持ち、柊聖の気持ち、さらに草樹の気持ちが交錯した素晴らしい終わり方になっていると思いました。
先生の描く絵も綺麗で大好きです。最後の方で1コマだけ玲苑が出てきたのは嬉しかったです。
そして最後の最後に柊聖のちょっとズレた結婚式発言に、やっぱり柊聖は変わらないねって思わせてくれてホッコリした気持ちで読み終えることができました。何度読んでも素敵な作品です。