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ぼくだけが知っている 最終回 文庫3巻 ネタバレ注意

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ぼくだけが知っている、最終話 文庫 完結3巻 感想

※ネタバレ注意です※

主人公の礼智(らいち)は、感受性の強い小学生です。地震や雷を予知できたり、ちょっと不思議な能力の持ち主でもありますが、理解のある両親に守られて、基本的には天真爛漫な優しい男の子です。

子供を主人公にした漫画は数多くありますが、そのほとんどは、大人から見た子供の可愛らしさとか、作者や社会にとって都合の良い、理想化された子供達の物語を描いているものではないかと感じます。

そんな中でも、この作品は、本当に「等身大」の子供が描かれていると感じられる、ごく少ない漫画の一つです。

最終話「ぼくが地球」では、主人公の礼智が、自分とそっくりの男の子に出逢います。彼、「十一(じゅういち)」は、礼智と同じ小学校の同学年でしたが、別のクラスだったので、初めて会ったのでした。

十一は、礼智と見た目も似ていますが、何よりも、自然を感じ取ったりする不思議な能力を同じく持っていました。しかも十一は、礼智にとっては感覚的でみんなに対して説明できなかったことを、言葉で説明することができたのです。

礼智は、初めて自分の感覚を理解し合えると感じる人間に出逢ったことで、興奮します。きっと彼と仲良くなれると思い、十一に近づいて行く礼智でしたが……。

ここまでの展開でいうと、BL好きな方の喜びそうな感じでしょうか。ところが話は、思いがけない終わりを迎えます。

十一は、付き合ってみると、子供っぽい礼智とは違い、哲学的・厭世的な発言をし、いわゆる厨二病的な言動も見せる少年でした。そしてある日、高所から飛び降りる事件を起こします。

結局、十一は怪我をしただけで助かりますが、飛び降りることを拒絶した礼智を「きみには関係ない」と突き放し、礼智も彼との決別を受け入れるのでした。

この最終話では、最終話以前に活躍してきた礼智の友達などのキャラの出番は少なく、突然出て来た十一というキャラと、主人公の関わりを中心にした、ごく短い話なのですが、二度、三度と読み返すうちに、とても印象的な心に残るお話になりました。

お話の中に、十一の両親は一切登場しません。言及されることもありません。しかし想像するにおそらく、十一の両親は、息子の「普通でない」ところを受け入れられない「普通の親」なのだと思います。

礼智の繊細さをそのまま受け入れ、包み込んで育てている礼智の両親と比べると、それは対照的です。

はっきり描かれていないため、初読では気付かなかったのですが、よくよく考えてみると、ここは二人の少年の、残酷なほどの境遇の差です。

感受性の強い少年。その両親が、子供の味方でないとしたら、誰が少年の繊細な心を守るのでしょうか。

守られなかった少年は独りで大人びて、厭世的で不安定な人格を作りあげていった――と考えられるのです。

礼智と、よく似ていながら、同じ道を歩くことのできない十一。それは、ありえたかもしれない、「もう一人の礼智」を示唆するために描かれたキャラなのではないでしょうか。

つまり読者は、この十一の物語を知ることで、礼智の物語を見ているだけでは気付けなかったこと――礼智の環境がどれだけ恵まれたものであるのかが、この最終話によってよく分かるようになっているのです。

もしもこの最終話が、お馴染みのキャラ達のその後を描いたようなもので、ただの「礼智の物語」で終わっていたとしたら、私にとってここまで心に残るものにはならなかったような気がします。
文学作品のような深みとリアリティが感じられる最終話だと思います。

大団円のハッピーエンドでも、息の詰まるような衝撃的な悲劇でもありません。まるで日常の続きのようにさりげない一幕なのですが、作者の技巧に気付くと、「技あり」と唸らされるラストだと思います。


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