凪のお暇　最新話 / 66話

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

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『堕天使の呪縛　壊したいほど愛してるのに この腕は君をやさしく包んでしまう　　奪いたいほど求めているのに この胸に君をいつまでも閉じ込めたまま』

『君の全てに俺が狂い出す前に 君を繋ぐ鎖になる 俺はもう醜悪な堕天使　　望むものは何もない 君さえそばにいれば求めるものはただ一つ 君の想い その全て』

「ねェねェ愛音 作詞オーディションの原稿…できたんでしょ」

「はいっ」

「タイトルは“堕天使の呪縛” 大人っぽい詞にしたんだけど どうかなっ」

「これが大賞なら 賞金50万！！」

「さっすが国語だけが とりえの愛音！！」

「一言多い！！」

『雑誌で見かけた 作詞オーディション』

『レコード会社が 新人デビューの話題性にと　　シロートの作詞を採用するというもの』

『この話を持ちかけた アイドル大好き沙希』

「愛音が作詞家になったら ライブのチケットとってもらお」

『バント系に詳しい祐子』

「…で男の詞を書くのって どうだった？」

『みんな芸能界大好き』

「それがけっこう楽しくってさ」

「なんかこ――… 男の子の気持ち 理解して書いたっていうよりは――」

「こんな風に思われてみたいってこと書いたっていうか――」

『頭の中で作り出した男の子… 最高にかっこよくて 最高に男らしい…』

『広い背中…　　包み込む腕』

『大きな手…　　そのすべてで』

『もしも… 愛されたらって…』

「キャ――ッ 愛音のＨっっ」

「そ…そっかな」

『将来の夢とか 大げさなものじゃなく 楽しければＯＫ』

『――と…思ってたんだけど―――…』

「将来作詞家なんていいかもね」

「あっ見て見て ルシファーのプロモ流れてるーっ」

「あたし…ドーム チケットとれなかった」

「ルシファーの詞って Ｈっぽくていいよね」

『Ｈな詞』

『かっこよさそ…　　どんなバンドなんだろ…』

《ドン》

「キャッ」

《バサッ》

《ヒラ》

「あﾞ―――― あたしの詞」

『あんなの人に見られでもしたら…』

「待って！！」

『恥ずかしいっっ』

《プップ――ッ》

『――――！！――――』

「キャアアアアア」

《キキキキ――ッ》

『あれ？ あたし生きてる！？』

《カチャ》

「俺はまだ人殺しには なりたくないぜ」

『この人が 車の運転手』

「ケガは？」

『瞳がブルー！！ 外人さん！？』

『ああっどっちにしても 事故の怖さもブッ飛ぶ かっこよさ！！』

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