藤間麗さんの連載作品「王の獣」の最新話が読めるCheese!(チーズ!)は、毎月24日ごろに発売です
同時配信の電子版が便利でオススメ!
もくじ
67話 17巻 Cheese! 2025年1月号
出版社 小学館/2024年11月22日 発売
高台家の人々 / 1&2巻 -今だけ無料-
2022年3月8日まで
『風邪をこじらせて 4日間 会社を休んだ』
『4日目は熱も下がって 行こうと思えば なんなく行けたけど』
『さぼり癖がついて 心底 行きたくなかったので』
『会社が謎の集団に占拠されて当分の間 機能停止になった』
『という話を空想しながら ゴロゴロしてた』
『5日目に出社すると 会社は無事だったけど』
『なんだか社内の空気が違っているような…』
「?」
「おはよう 木絵ちゃん」
「あ おはようございます」
「もう風邪 治った?」
「あ ハイ」
「今朝は みんな 早いですね 何かあるんですか?」
「ああ…」
「あなた まだ知らないのよね」
「はい?」
「おはようございます」
「脇田課長 いらしてます?」
『理由は すぐにわかった』
「はっ…はい!!」
「いっ…いえっ!! まだ…みたいです!! すみません!!」
「高台光正様 あなたが休んだ日に ニューヨーク支社から来たのよ」
「で 彼が 朝早く来るんで この3日 女子社員が やたら早く出社するわけ」
「戦国武将みたいな名前ですけど… 目 青かったですよ?」
「おばあ様がイギリス人なんだって」
「高台家って すごい名門で 元華族とかなんとかですって」
「T大卒で オックスフォードに留学してたそうよ」
「髪は漆黒 目はブルー 身長180センチ 27歳 もちろん独身」
「趣味はスポーツ全般」
「長男ですって」
「ほえ~~~ すごいですね―― ほえ~~~~」
「ほえほえ言ってないで 木絵ちゃんも負けずに狙いなさいよ」
「い…いやぁ そこまでいくと もう別世界の人ってゆーか 現実感がなくて… それに なんか ちょっと怖そうな人でしたよ」
「そこが いんじゃないの」
「私だって 彼に誘われたら だんなは捨てるよ 子どもは捨てないけど」
『私は平野木絵 つましいサラリーマンの家庭に育った 庶民の子で ごくごく普通の どちらかとゆーと地味めの29歳 独身』
『オックスフォードとか 華族様とか言われても 映画か小説の話のようで…』
(イギリスってゆーと…)
『アレとか… アレとか…』
『あ コレだ コレが似合いそう』
『実をいうと彼は 王位をめぐる陰謀に巻き込まれた王族の青年』
《おのれ ドダリー卿》
『ドダリー卿 率いる 悪の組織に 命を狙われていて』
《消えていただきましょう》
『命からがら 日本に逃れて来たのだ』
『だが しつこいドダリー卿は』
「木絵ちゃん」
「またっ」
「脇田課長が ぞっとするほどヤな顔で にらんでるよ」
(げっ いかん いかん)
『私は小さい頃から 空想癖がある 他人(ひと)と話すのが苦手で 言いたいことが言えなくて 一人でいることが多かったせいか』
『実にバカバカしい内容だし 何の役にも立たんけど…』
(てゆーか 勉強や仕事の邪魔になるだけ)
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