カノジョは今日もかたづかない　最終回 / 結末

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

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「魔女さま」

「最近ほうきで飛ばれないのですね　良いお天気ですよ」

「朧 …飛びたいのね？」

「はい！」

「うふふ …いいわよ」

「ああ 本当に久しぶり」

「…今日は空気も澄んでいるのね」

「はい！ 遠くの山も見えます」

「ありがとう 朧」

「私も飛ぶのが大好きなのよ」

「うーん 机の上には載らないわね　　ラグに広げちゃう」

「…魔女さま これは…？」

「全部 坊が書いたものよ」

「渉さまが」

「まあ日記みたいなものかなあ」

「…渉さまは 父についても書いてらっしゃるでしょうか」

「蛍？ もちろん書いてるでしょうね とても仲良しだったから」

「…！！」

「朧も読んでいいのよ　　坊が残していったんだもの」

「…違うわね 私が読んでほしいの 朧にも」

「私独りで これを読む勇気がなくて」

「…渉さまは魔法学にも精通された方 大変興味があります」

「ふふふ その言い方 蛍にそっくりね」

〔「…坊 いつも何を書いているの？」〕

〔「忘れたくないことを書いています」〕

〔「これは日記のようなものです　　ダメですよ 勝手に見ちゃあ」〕

〔「ふーん？」〕

『“ドアを開けると”』

『“そこには魔女さんがいた”』

『“僕を待っている間 転た寝をしていたのだろう”』

『“ぼんやりとしたまま 僕を見つめていた”』

『“魔女さんに会うのは数か月ぶりで”』

『“会うまでは どうしようか 何を話そうかと”』

『“ぐるぐると考えていたのに”』

「…！」

ぱたっ

びく

〔坊　　いつも何を書いているの？〕

〔忘れたくないことを書いています〕

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