スキップとローファー｜最新話61話【無料】ネタバレ

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「おはようございま――すっ」

『私は 乙宮灰音☆　　今日も元気な１５歳です！！』

「あら 灰音ちゃん　　早いのね」

「んふふ――っ 朝もバイト入ることにしたのーっ」

「なにもそんな張り切らなくていいのに…」

なにを――っ「微々たるお金だって塵も積もれば家計の足しになるのよ 草芽 バカにしちゃダメ！！」

「じゃ俺もバイトする」

「草芽は来年 受験でしょ！　　あんたの仕事は勉強！ 家の大事な跡取りなんだからっ」

「…というわけで 今月のお給料ですっ　　今朝は ごはん中盛りにしたいでス！！」

ま――っ「いくらでも食べて 灰音ちゃん！！」

（また始まった）

『実は私は養女で この家の本当の子供じゃないの』

「いってきま――す」

『だけど分け隔てなく育ててくれた乙宮家』

『倒産寸前の乙宮家具を建て直す為にも　　毎日バイトで頑張ってます！！』

「そういえば高等部の生徒会長 代わったんだって？　　あの東宮家の」

「！」

「そうよ！！」

「東宮家の閑雅様よ！！」

「灰音――っ おはよう！！　　今日は朝からバイトなの！？」

「そうだよお　　りーこちゃん おはよう！」

「え！？ 灰音って学校でバイトしてるの！？」

「うんっ 下働きだよ」 そーじとか雑務をば

「え―――っ 服かわいい！！」

「何でバイトしてるの？　　親にナイショで ほしい物があるとか？」

「えっ！？ ああうん！ そんなとこ」

「あなたたち」

「通行の妨げだ　　どきなさい」

「は…っ はいいっ」

「潮！」

「おはよう 灰音　　葉っぱついてる」

「箒が落ちた」

「そんなきれいな顔で あんなこと言ったら みんな怖がるよ　　ただでさえ 潮は「銀」なのに」

「心配無用　　あんな長いモノに巻かれてばっかりの奴らなんかいらない」

「私は灰音だけいてくれればいいんだ」

どきゅ―――ん

「潮っ 大好きだよぉ！！」

「当然」

『私の通う私立帝国学園は 超有名な金持ち学校です　　通う人はほとんどが坊ちゃん嬢ちゃんばかり』

『そして生徒は全員 身につける腕章とバッチによって３つのランクに分けられているの』

『部活で賞をとったりして 学園に貢献するともらえるポイントを１万点ためると上にあがれるんだけど　　お金持ちの子は入学時に多額の寄付をして ほとんど「銀」になっちゃう』

「飛行機のファーストクラスとビジネスクラスとエコノミーって感じです」

『ちょっと問題なのが「ランクが上の生徒は偉い」って変な常識があること』

『簡単に言うと「銅」は小金持ち　　「銀」は大金持ち・名門・旧家とか』

『そして――――…』

『金を名乗ることを許されるのはただ１人　　生徒会長で通称「皇帝」と呼ばれる』

『東宮閑雅　　そのお方だけなのです』

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