好きになるなと言われても　最終回 / 結末

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

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『約２０万年前 ヒトが火を初めて手にした瞬間』

『なんて言ったのかを ふと考える』

『約１０年前　　私の場合は』

「…こ… こんなの」

「ほぼほぼ魔法じゃない！？」

『だった』

『恨むことこそ なかったものの　　大して好きでもなかった自分の顔』

『情熱を注ぐ先は他にあって』

『まあ「人並み」になれたら と思って軽い気持ちで聞いてみたのが　　メイクを始めた きっかけ』

「え？ 化粧品？」

「うん 皆どんなの使ってるのかな～って」

「私プチプラばっかだよ～」

「ウチはお姉ちゃんのパクって使ってる！ バレたら殺されるケド」

「エミちゃんがメイクに興味持ってる～」

「うん 春から大学生だしと思って」

「ってかアタシ 今ポーチあるし ちょっとやる？」

「う うん」

「私ファンデは これしか使ってないや パウダーの」

「あっウチも前ソレ持ってた～ 今はメイベリン！　　マスカラはファシオがマジで落ちない！！」

「あー BoAちゃんのやつ？　　あ アイプチ入ってた！」

「げ！ アイライナー入ってないや ある？」

「ない～」

『目の前で飛びかう言葉が』

『さっぱり わからなかった１０分後には』

「はい完成ーッ」

「！！」

「えっ… すごい… 二重になってる…」

「アイプチ アイプチ」

『それを知りたくて』

『たまらなくなってた』

（だってこれ… ほんの少しで この変わり様）

（ってことは もーちょっと頑張れば）

『さらなる高みへ！？』

「…ほどほどにな？」

「え？」

「や なんか推しカプを見つけた時と同じ目をしているからさ…」

「あっそれ！ それくらいの感動があったよ」

「そうだろうな　　既にだいぶ買ってきてるもんね」

「笑子って ハマるとガーっといくタイプじゃん」

「メイクって際限なさそうだし」

「やだなァ わかってるよォ～」

「自分でもある程度 出来るようにって思ってるだけだよ～　　オタ活の方が大事だし！」

「……」

『友達の予想は』

『この後 的中し』

『あと少し あと少しと　　試行錯誤をくり返していくなかで』

『みるみる変わっていくこの顔が　　面白くて 面白くて』

『大学の半ばを迎える頃には』

「いや…」

「誰！！」

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