虎王の花嫁さん　最新話 / 11話

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

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「ただいまー　　って 誰もいないっての」

「あー… ダルいなぁ… 風邪かな？　　伯母さんから借りてたゲーム…　　返すのは明日でいいか…」

ぐら

『あれ… 意識が…　　遠く……』

「エリーゼ・フォン・シュバルツバルト！　　オーガスタ王国 第三王子　　ジークフリート・アルベルト・オーガスタの名において」

「あなたとの婚約を破棄する！」

〔は？　　待て待て待て……〕

〔なんで王子様？ 私に王子様の知り合いなんて おらんぞ？〕

『いや待てよ　　私の脳が この王子様とやらは知り合いだと訴えている』

『ハテ？ なんだろ』

〔あっ 伯母さんが貸してくれたゲームだ！〕

『私 死んだの？　それでよく読むラノベよろしく 乙女ゲーム世界に転生したの！？』

『あろうことか 悪役令嬢エリーゼに？』

『しかも 断罪シーンで記憶を取り戻したの？』

〔嘘でしょ 中学で父母を亡くして 祖父母と暮らして　　その祖父母だって高齢で亡くなって　　二十四歳から十四年間 山の中の一軒家で孤独な一人暮らしだったけど　　清く正しく生きてきたじゃない！　　こんな終わり方なんて あんまりじゃない！〕

『私何かしましたか？ 神様！』

『ちくしょう！』

「さすがに びっくりしたようだな！」

「だが 私の気持ちは」

『待って しかもエリーゼの記憶さかのぼると　このまま王子と結婚しちゃったら やばくない！？』

「変わらないぞ！」

【子ども産むまで監禁生活】

『ブラックすぎでしょ！　　労基があったら めちゃくちゃ叩かれちゃうわー』

「どんなに抗っても…」

『あーあ こんなのやってられませんよ！』

『そりゃもう 王子様が逃してくれるってんなら逃げますって』

『よし』

『婚約破棄 乗ったろ！』

「婚約破棄 承りました」

「承りました だと……？」

（キョトーンとしてるわ(笑)　　そっちから言い出したんじゃない　　隣にいる小娘が新しい婚約者でしょ 早くそれ言いなさいよ）

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