つづきはまた明日｜7話【無料】ネタバレ

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

2024年2月28日まで

「この１０億円で」

「僕と結婚してください」

『天国のお母さん　　今 私は』

『謎のプロポーズをされています』

「小春ちゃーん！」

「こないだ 小春ちゃんが教えてくれたお弁当ね　　彼 美味しいって すごく喜んでくれたよー！」

「頑張って練習したもんね おめでとーっ」

「料理だけは得意だから いつでも頼ってね」

「あっありがとう」 だけって

「今日もお店のお手伝い？　　大変だね」

大丈夫！「好きでやってるから！」 ありがと――

『私の家は　　商店街の小さなお弁当屋さん』「自慢は おにぎり！」

「いらっしゃいませ！」

「今日はマグロの角煮がおススメですよ」

「おっ 美味しそうだね」

「あっシズさん 腰の具合どうですか？」

「だいぶいい感じよ」

「よかったー でも無理しないでくださいね」

「新作おにぎり 美味しかったよ」

「ありがとうございます！」

（わーい やった～）

（お父さんと試行錯誤したもんね）

（褒められちゃったよ お母さん）

『ここは お母さんが遺したお店』

『パワフルで美人で 何でも出来た 自慢のお母さん』

『私がお店を手伝う度に喜んでくれて』

《ありがとー 小春》

《小春は私の自慢だよ》

『大好きなお母さんの力になれることが嬉しかった』

『だからホントに楽しいんだ』

『料理も好きになったし』

『お客さんの笑顔も見られるしね』

「次の新作は唐揚げむすびとか どう――」

「はいっ 承りました！！」

「あっありがとう」

カラン

「あっ」

「いらっしゃいませ！」

「いつもありがとうございます」

（毎日通ってくれる常連さんもいるし）

「今日は何にしますか？」

「…梅と鮭をひとつずつ」

「それと――」

「結婚してください」

『…ん？』

「…ケッコンは販売していませんが」

「いえそうではなく」

「この１０億円で」

「僕と結婚してください」

「…もう一声ですか？」

『意味がわからない』

『え？　　何？』

「あと１億… ２億なら…」

「いえ１年待っていただければ倍額にしてみせます」

『何なの これ？？』

ざわ　　ざわ

ハッ

「こっここではちょっと 奥にどうぞ！」

「お父さんごめん！ レジ代わって」

「…改めまして」

「さ…先ほどのは何だったんでしょうか…」

「け…結婚がどうとか…　　冗談…ですよね？」

『だって常連さんとは言え』

『ほとんど会話したことないし』

『顔すらよく分からない人だし――』

「――僕は 黒崎絢人と申します」

「僕は小春さんに」

「恋をしています」

『え…っ』

「だから決意したんです」

「「１０億稼ごう」と」

『何で？』

「僕はあなたを幸せにしたい」

「お金が沢山あれば あなたにしてあげられることも増えるはず　　…そう結論に至ったんです」

『勝手に至られても』

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