詩歌川百景｜最新話15話【無料】ネタバレ

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

「そこの女子！ スカートは ひざ下１０㎝！！」

「オイ！ 生徒が ろうかの真ん中を歩くんじゃない！！」

《ドンッ》

「きさま！！ どこ見て歩いてっ…」

《ずぅん…》

「きっ…貴様っ」

「先生に むかって なんだ その目つきは！！」

《ギンッ》

《じっ》

《じぃぃぃ》

《じィィ》

「ゴホン」

「…」

「…先生　　汗が すごいですけど だいじょうぶですか？」

《ピトっ》

「ひイっ！！　つめたっ」

「いいから いきなさいっ！！」

「すげー… あの鬼田に勝ちやがった…」

「あいつ「絶対零度の雪女」とかいって」

「にらんだ相手を こおらせるらしーぜ」

《カッ》

「いやだ！！ まだ 死にたくない！！」

「たすけて――っ」

「……」

『いつも…　　こうやって にげられてしまう…』

『もっと 見ていたいのに！！』

（あ！！　　相沢さん 前髪 切ったんだ）

（あの短さは… 好きなモデルに似せようとして がんばったけど 切りすぎちゃったのかな）

（小杉くん… 目ぇ 充血させて…）

（ゲームのボスが いがいと強くて てこずって徹夜したのかな）

「…なんで いつも人のこと見てくるんだろ…」

「仲間になりそーな人 探してんじゃ…」

『ああ… やっぱり…』

『人間観察は楽しいなぁ』

「雪菜ちゃーん」

「…晶」

「いっしょ帰ろ――っ」

「きょうも たくさん観察できたの？」

「うん この目つきのせいで すぐ にげられるが…」

「けっこう おもしろいネタも…」

「ユピナの小説 読んだー？」

「読んだ 読んだー♡ きのう 更新されたよね！！」

「今回も 超おもしろかったよねー♡」

「主人公がさー ホント 応援したくなる！！」

「伯爵も かっこいーよねー♡」

「こんど 本になるらしーよー」

「ケータイ小説は ユピナが いちばんだね♡」

「わっ… すごい人気…」

「……」

「よかったね！」

「ユピナちゃん！」

『わたし 氷室雪菜は　　ひそかに ケータイ小説を かいている』

『するどい目つきと 末端冷え性のおかげで　　ちいさいころから いとこの晶以外 だれも よりつかず…』

『遠くから みんなを観察して 妄想するのが 楽しくて』

『それを小説にしただけなのに…』

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