8話 2巻
今回の個人的 注目シーン――――――――………
小柳「…わかったわ つまり 澤じゃなくて エッチが いやってわけね?」
藤子「…わからない… でも 処女は早く捨てなきゃいけないし 澤さんとなら… もしかしたら できるかもしれないし…」
小柳「…好きでもない澤で お試しってわけ?」
「あんた 一体どうしたいの?」
藤子(…どうしたいだなんて 私に選択肢なんて ないのに)
小柳「かわいい女になりたいなんて言ってたのに 今度はなに? 彼氏持ちの女になりたい? 処女を捨てたい?」
藤子(これが 最初で最後のチャンスなんだって なんでわかってくれないの)
「…だって…… 30年近く生きて 初めてですよ…? 誰かに好きになってもらえたの そしたら次は また30年後かもしれないでしょ…!?」
「好かれるのにも 好きになるのにも慣れてる小柳さんとは ちがう 友達は どんどん結婚して 人生のステージを進めてるのに…」
「なのに私は はじめて彼氏が できるできないで騒いで… こんな年で…!」
「私にはきっと 澤さんしか いないんです」
(なんでわかってくれないの 取り残されていく 怖さを)
小柳「だから 自分も好きだって 合わせんの?」
「正直に あんたを好きって言ってる澤に ああやって かくれて 苦い顔して?」
「…違うわね そもそも 澤なんか見てない 自分のことを認めるために 恋愛してるフリがしたいのね」
藤子「……別に アイドルみたいに かわいくとか セレブ婚したい とか言ってるわけじゃなくて」
「普通の… ごく普通のアラサーに近づきたいだけです だってこの年で処女っておかしいでしょ…!?」
「普通に恋愛して 普通に結婚するには もう時間が…」
パシッ
小柳「普通って あたしの前で それ言う?」
藤子「…… あ……」 「小柳さん ちがっ――…」
小柳「そこまでガキだったのね …ショックだわ」
「あんたと過ごしてきた時間って なんだったのかしら」
『出版社 祥伝社/長田亜弓さん』