主人公は西岡文という女子高生です。6巻では自らの出生の秘密に近づける話となっており、文の出生の秘密や玖太郎の自分の弱さを克服できるのか、話が急展開に進んでいきます。
なんといってもこの6巻のいいところは、玖太郎が文に「すきだよ」というシーンです。普段から好きな気持ちを伝えることができない、言ってはいけないといわれている玖太郎が文に後から抱き着いたようにいうシーンは切なさとジレンマを感じます。
そしてそれを文にはごまかしてしまう所も言いたくても言えない心情を表していてとても好きです。
文は堀北玖太郎と北原多たかやと四方あたるとともに修行とそうして旧白虎の隠里にあるという「聖地」に向かうことになります。
その向かい方がお土産を買う事や食べ物を食べることなど、観光を楽しむような内容でとても修行に行くような雰囲気ではないのですが、そこはこの状況を楽しむという文の提案で、途中ガラの悪そうなナンパ男にからまれそうになりながらも3人で切り抜けて進んでいきます。
旧白虎の伝令とメールなどでやり取りをしながらご神水も手に入れて湖のほとりまで行くと見知らぬ女性が現れて文をさらっていき、ボートで逃げてしまうのですが玖太郎とあたるは白鳥のボートでそれを追うことになります。
メンズ二人が白鳥のボートを漕いで追いかけるさまはとてもギャグマンガのコメディチックでとても面白いです。
二人は白鳥のボートで陸地にたどり着き男勝りな女に導かれて言われたことが「服を脱いで生まれたままの姿になれ」と言われています。いくら男勝りとはいえ、男にそれを平然と言ってのけるキャラクターはまさにギャグマンガそのものでとても面白いです。
二人は温泉に入ることになるのですが、隣の温泉から文の声が聞こえて浴衣姿のままで風呂を出るとこんどは小屋の一室に文が気を失ったまま横たわっていてその文に玖太郎が近づき、自分の欲望が表に出て触れたい衝動にかられたり好きだと思ったり、玖太郎の普段表に出せない感情か渇望などが表れている所は切なさとはかなささえ感じて読者の心をわしずかみにするように感じます。
その後、旧白虎の当主により聖地の門が開かれてウチガワと呼ばれる場所に行くことなります。ですがそこで文は玖太郎とはぐれてしまいます。
当主は文に、自分は文の従妹であるとつげて玖太郎を一緒に探すことになるのですが、この聖地の内側の世界にはたくさんの幽霊がいて油断のできない場所であると聞かされます。
文は玖太郎と無事に会えるのか、二人は無事に聖地から生還できるのか、修行を無事に終えることができるのか、次の7巻がとても楽しみで仕方ないです。