河内遥さんの連載作品「ムサシノ輪舞曲」の最新話が読めるフィール・ヤングは、毎月8日に発売です
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もくじ
22話 5巻 FEEL YOUNG 2024年11月号
出版社 祥伝社/2024年10月8日 発売
ヴィクトリア・ウィナー・オーストウェン王妃は世界で一番偉そうである / 1巻 -今だけ無料-
2022年12月13日まで
「ヴィクトリア・ウィナー・グローリア公爵令嬢!」
「君との婚約は破棄だ!」
『普通の令嬢なら泣くところ』
『あるいは 怒るところ』
「なるほど だが」
『このヴィクトリア公爵令嬢は』
「我は許可しない」
『死ぬほど偉そうな口調で そう言い放った』
ザワッ
「なっ」
「は なんっ…」
「いいか」
「我はな 婚約破棄を許可しておらぬのだ」
「き 君に何の権利があって…!!」
「君は公爵令嬢でしかない!」
「王子である僕の命令が聞」
「聞けぬ」
「!?」
『めちゃくちゃ偉そうである』
「僕はマリアを… マリア・カタリア男爵令嬢が好きなんだ」
「だから 君との婚約は…」
「それは困ったな フレデリック」
「我はお前を 殺したいほど愛しているというのに」
ひっ…
「ここまで熱烈に人を愛したのは初めてだぞ?」
「う 嘘だ… いや 怖いよ…」
「フレデリック・オーストウェン」
「貴様はただ 我の横にいればよい! それだけで国は栄えるであろう!」
オオッ…
ぱち ぱち ぱち
「えっ なに これ!」
「なんの拍手!?」
「ところで娘」
「娘…」
「え わたし!?」
「男爵令嬢」
「そなたの家は 実に困窮しているようだな」
ぞわっ
「王子の嫁になれば 金が手に入るかもしれない しかし それは大変に危険な道だろう」
「あ あの…」
「王家と男爵家はもとより 公爵家と男爵家も身分が違いすぎるのだ」
「わかるだろう?」
『…お父様』
『なにがあったの? なぜ泣いているの?』
「今年の葡萄は もうだめだ」
「やっと仕事が軌道に乗り始めたというのに… 私たちはこれから どうすればいいんだ」
「お父様…」
『お母様から受け継いだ このネックレスだけは手放したくなかった』
『…だけど そんな事言っていられないわよね 少しでも家の足しになるのなら』
「ええ お嬢様の方が絶対…」
「え」
「王子のお相手のお話です」
「お嬢様ならピッタリですねって」
「そんな… 私なんかじゃ とてもじゃないけど釣り合わないわ」
「フレデリック様は身分など関係なく 誰とでも親しく接してくださる方ですもの」
「お嬢様ほど美しくて聡明な方なら 王子のお相手に相応しいですわ それに… ねぇ」
「ええ」
「王子の婚約者は あの方ですもの ええ あの悪いお噂の絶えない」
「ヴィクトリア・ウィナー・グローリア公爵令嬢!!」
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