古オタクの恋わずらい　最終回 / 結末

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

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『神殿のような建物　　床に書き込まれた模様』

『明らかに日本のそれではない風景』

「……どこよ ここ」

「召喚の儀は成功した筈なんじゃが……」

「二人も現れるとは どういうことだ……？」

『なんだこれ』

『召喚の儀って』

『おじーさん 一体何やったの』

『まさか　まさか』

『今日は大好きなおばあちゃんのお葬式だったのに　　なんで こんなことに…？』

（おばあちゃん…）

『亡くなった おばあちゃんは』

『３歳の時に事故で両親を亡くしてから』

『私を心から可愛がってくれた唯一の人だった』

『その事故で視神経にダメージを受けた私は』

『今もメガネが手放せない』

『時代遅れの瓶底タイプなのは』

『遺産目当てで私を引き取った叔父さんたちが贅沢を許さなかったから』

〔ごめんね 莉奈〕

〔私が引き取って面倒見てあげたかったけど〕

〔おばあちゃん 身体がこんなだから　　一緒にいてあげられなくて…〕

『おばあちゃん ありがとう』

『おばあちゃんが私の未成年後見人に弁護士さんをつけてくれたお陰で　　叔父さんに遺産や保険を奪われずにすんで』

『私 一文無しにならずに大学に行けるよ！』

『弁護士さんに協力してもらい』

『受験していたことを叔父さんたちは知らない』

『あとは来週 こっそり引っ越せば…』

『あの家のサンドバッグ兼 無料家政婦も卒業だー！！』

「莉奈！！ あんた こんなとこで何サボってんのよ！」

（うわっ　真由に見つかっちゃったよ）

『真由は私より１歳年上　　叔父さんちの一人娘だ』

『ちっちゃい時から家でも外でも せっせと私をイビリ倒してくる』

『彼女の学生時代のあだ名は『女ジャ○アン』だった』

「そんなにみんなに そのモッサい喪服姿 見られるの嫌だったの～？　　それくらい我慢して親戚の相手しなさいよ」

「大体あんたはね うちに世話になってる厄介者の分際で……」

（そのモッサい喪服 勝手に用意したのは誰よ…）

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