ラーメン発見伝、最終話 完結26巻 感想
※ネタバレ注意です※
私が好きな漫画の最終話は『ラーメン発見伝』、最終話の題名は『ありがとうございましたあっ!』です。
全26巻、237話の長編漫画です。
その名の通り、この長い漫画を感謝の言葉で締めくくるような素晴らしい最終回でした。
まず、この『ラーメン発見伝』の紹介を少しさせて頂きます。
題名の通り、ラーメンの漫画です。
ビジネス男性向けの漫画ではありますが、ヒューマンドラマの要素もあり、1つ1つの話はきちんとストーリーがあるので若い女性でも読みやすく面白い漫画です。
ビジネス漫画とは思えないほど、人間味の溢れるキャラクターやユーモアのあるキャラクターが数多く登場し、ストーリーを盛り上げます。
勿論、すべての回に登場するラーメンは全部美味しそうです(笑)
さて、最終話のストーリーを説明します。
最終話の1話前では、主人公の藤本が脱サラして自分のラーメン店をいよいよ開業します。そこへ、積年のライバルでもある芹沢さんが来店。
最終話は芹沢さんの登場からストーリーが始まります。
いつも通り、藤本には厳しく憎まれ口を叩く芹沢さん。開業したての藤本の店のラーメンに対し『このラーメンは完全ではない!』と言い放ち、そして『お前の詰めの甘さを思い知らせてやる』と言い、厨房に入ります。
そして完成したラーメンは藤本の作ったラーメンよりもはるかに美味しいものでした。
落胆した藤本、そして背を向けて店を後にする芹沢さん。
その時に同じ場で居合わせ、一緒にラーメンを試食したラーメン評論家の有栖が「良かったね、これで、明日からもっと素晴らしいラーメンが出せるね。」と藤本に伝えました。
その有栖の言葉に藤本はハッとします。
自分は今まで独学でラーメンを作ってきたつもりだが、本当にそうだろうか!?
走馬燈のように芹沢さんから指摘された自分の弱点を思い出した藤本は、店を駆け出し芹沢さんの元へ向かいます。
そして藤本は芹沢さんに向かって大声で「ありがとうございましたあっ!」と頭を下げます。芹沢さんは「大げさだな」と背を向けて去っていきます。
ざっくりとお伝えしましたが、シーンはこれだけです。
ビジネス漫画なので1話のページ数が少ないですが、最終回のストーリーは短くても読み手には大きな感動を与えました。
芹沢さんは藤本にとって、今まで目の上のタンコブのような存在、時には一緒に仕事をしたり、商売敵になったり…。
それが最終話にして自分の師匠だったと藤本は気づくことができました。
(後に出版された『ラーメン才遊記』では芹沢さんの会社で働く女性が主人公として登場します。
その最終回にて、芹沢さんは藤本のラーメン屋は「本物のラーメン屋だ」と高く評価しています。
藤本と芹沢さんの二人の再開シーンは描かれていませんが、お互いに良きライバルであり尊敬しあっていたのだろうと伺えます。)
この最終回で私が一番印象的なシーンは、藤本が涙ながらに「ありがとうございましたあっ!」と頭を下げるシーンです。
シーンのコマ割りや描かれ方はもちろんですが、少ないセリフで色んな心情を感じ取ることができて、本当に名シーンだと思います。
ラーメン勝負で勝利・脱サラ・結婚・ラーメン店開業など最終巻の26巻には、本当にいろんなことが描かれて終結していきます。
ですが、漫画が描かれていく中で、最終回を飾るにはこのシーンが一番ふさわしかったのだと思います。
長く続いた漫画の中で、勝ったり負けたり、戦ってばかりだったこの二人の試合にもようやく決着がついたという印象を受けました。
読み手も全員が納得するような綺麗な終わり方をした最終回でした。
笑いあり、涙ありの素晴らしい漫画です!
オススメですので、みなさんも是非読んでみてください。