井上霞さん/佐野倫子さん/山本理沙さんの連載作品「さよなら私のクズ旦那」の最新話が読めるKissは、毎月25日に発売です
同時配信の電子版が便利でオススメ!
もくじ
14話 EKiss 2024年11月号
出版社 講談社/2024年9月25日 発売
弱気MAX令嬢なのに、辣腕婚約者様の賭けに乗ってしまった / 1巻 -今だけ無料-
2024年1月11日まで
「アメリア・キース侯爵令嬢! 今日をもってお前との婚約を破棄する!」
「え?」
「なぜ今日…?」
「ふーん たしかにちょっと時期ははやいね」
「やあピア! アルコールじゃないなんて偉いじゃないか」
「ルーファス様! 人前でなんてことを!」
「ピア 王太子殿下は婚約破棄をしたけれど私はここにいるよ」
「賭けは私の勝ちだね」
『どうして』
『こうなった?』
【――七年前】
「ピア 大丈夫かしら」
「ただの風邪だと思っていたのに…」
「母上 心配ですが 皆で倒れては困ります」
「今日はサラに任せるのでしょう?」
「! ピア様 目を覚まされましたか」
「お加減はいかがですか?」
「ねえ…… サラ……」
「お空を鳥のように飛ぶ鉄のかたまりって見たことある…?」
「とっても大きくて…… 人がたくさん乗ってお空を飛ぶの…… 街には空に届きそうな大きな建物が立ち並んで……」
「お 奥様――! ピアお嬢様のご様子がおかしいです~! 医療師を大至急お呼びください――!」
『私の名は ピア・ロックウェル 十歳』
『ここはアージュベール王国の王都の外れにある伯爵家の屋敷であり』
『王都近郊の目立った特産品もない小さな土地を治めるロックウェル家で』
『その家長たる父と 貴族の政略結婚にしてはぼちぼち良好な仲の母と 五つ歳が離れている故に遊び相手にはなってくれない兄』
『これが私の家族』
「お嬢様が先ほどから わけのわからないことをおっしゃっていまして」
「ピア大丈夫? 怖い夢でも見たの?」
「……ううん」
『大人のサラが知らないのなら』
『やはり 私が見た光景はこの世界のものではない』
『記憶の中の彼女は間違いなく私 いわゆる前世だ』
(あの人 学生証ないと困るよね)
『その世界で私は日本の大学院生だった』
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