椎名うみ先生の連載作品「青野くんに触りたいから死にたい」の最新話が読めるアフタヌーンは、毎月25日に発売です
同時配信の電子版が便利でオススメ!
もくじ
68話 13巻 アフタヌーン 2024年12月号
出版社 講談社/2024年10月25日 発売
復讐の甘い檻 / 1巻 -今だけ無料-
2024年3月7日まで
『それは いつもの穏やかな日曜日のことだった』
「もうっ お父様ったらわかっていらっしゃらないわ!」
「せっかく王宮の夜会にご招待いただいたのに勝手にお断りしてしまうだなんて…」
「ねえ! アイディーリア!?」
(お姉様ったら このお話をするのはもう何度目になるのでしょうか…)
「王宮の夜会といってもあれはフォンタナ家の縁戚の侯爵が主催される催しではありませんか 当然 出席者もあちら寄りの方々になるはず」
「そんなところへ仮にもルヴォー家当主の娘であるお姉様を行かせるわけにはいかないと」
「お父様は心配されたのでしょう」
ルヴォー家 フォンタナ家
両家は何百年もの間 世代を越え 憎み合い争い合う政敵――
「でも王太子殿下もいらっしゃるというじゃないの!」
「半年前に初めてご挨拶してから まだ片手で数えるほどしかお会いできていないのよ? 王太子殿下からは再三 お誘いを受けているというのに お父様がぐずぐずされているから……っ」
「きっと作戦です 会う機会を限ることでお姉様を求める殿下のお気持ちが いっそう募るのを待っていらっしゃるのでは?」
「もったいぶっているうちに好機を逃したらどうするの?」
「フォンタナ家もそれはそれは美しい遠縁の娘を呼び寄せて殿下に引き合わせたそうじゃないの」
「大丈夫 王太子殿下はルヴォー家との関係が深いお方ですもの」
「どんなに美しくてもフォンタナ家の娘になびくはずがありません」
「ふん!」
「恋愛をしたことがないお前は男の心というものを知らないのよ 本当にあてにならないものなんだから」
「お姉様――」
『確かに… わたしは恋をしたことがない』
『わたしは生まれてからずっと女性に囲まれ』
『異性からは遠ざけられて暮らしてきた』
『四つ歳上のベアトリーチェお姉様も わたしと変わらない生活をしているというのに』
『今のわたしと同じ歳の頃から多くの貴公子達との恋を楽しんでいる』
(ずっと他人として過ごしてきた人を自分の虜にするなんて魔法みたい)
『そんなお姉様をここまでヤキモキさせるなんて』
『やはり王太子殿下は特別な方なのね…』
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