ARIA 2月号 あのなつ。、最終回 感想
※ネタバレ注意です※
ついに完結でしたね。3度目の17歳、3度目の夏祭り、誰も夏祭りには行かなかった というのは当然の流れだったと思います。
何かが起こるかもしれないって可能性がある以上、実際にお祭りに行く気分にはなれないですよね。
それでも みんな、みんなと一緒にいたかったのかなぁ。
たしかに安全だけを考えれば 家から出ない、という選択が一番なのかもしれないけれど、優華が呟いた「みんなで花火がしたいな」という言葉に たまき達も自然と気持ちが一致して、みんなが それぞれ どうするか選んだ結果が、みんなで花火、だったのですね。
誰も最初の17歳と同じことを繰り返そうとしなくなった、自分の道を決めた みんなだけど、もちろん不安がないわけではないでしょうから、楽しそうに はしゃぐ姿が 不安を振り切ろうとしているように見えて、少しだけ切なく感じました・・・。
だけど、“誰かの強い思い”で過去に戻る現象が起きているとしか説明がつかない この状況の中、二度と後悔や迷いに捕われることはないようにする、その覚悟は全員ができていたと思います。
「・・・もう誰のせいでもない、だから大丈夫だよ」
樽丘が そう言えたことが、他のみんなの支えにもなってくれそうな気がしました ^_^。
秋田さんと庄司、2人の帰り道は 明るい方向へと進んでいく道ですね。
1度目も 2度目も上手くいっていなかったけど、ここから また始めることにした2人にとっては、17歳を繰り返したことに とても大きな意味があったなぁ、なんて感じます。
笑顔で進み始めた秋田さんと庄司とは対照的に、優華の気持ちが 心から晴れる日は、もしかしたら来ないのかもしれないな・・・と思ってしまいました・・・。
息子のことを諦めたくない優華の気持ちは報われなくて、泣きながら 前を向いて進むことを決めた優華に、とても心が痛みます・・・。
でも、すでに気持ちの整理がついている太一が「ずっと一緒にいよう 俺たち・・・」と言ってくれたので安心しました! 太一なら優華を支え続けてくれるでしょうね。
ラストのシーンには 祥太くんがいましたし、3度目の17歳で 泣きながら祥太くんに謝った この時の優華の悲しい感情は、優華の中で 心の強さへと変えられたと思います。
そして、巧海と樽丘に見つめられた たまきの選択。2人にずっと仲良しでいてほしくて、2人が大好きで 答えを出せないでいたけれど、自分の気持ちに嘘をつくことの方が間違いだと気づいた たまきは、きっと真っすぐに 自分の気持ちだけを2人に伝えたのでしょうね。
10年後の たまきと巧海は夫婦になっていたので、たまきの選択は 無事に幸せな未来へと繋がったんだなぁ、と思いました。
「たとえ戻ったとしても、それもひとつの繋がった道でしょ? 今日まで巧海くんが どう生きてきたのか 私は全部知ってる、だから戻ったからって気持ちが変わるわけないじゃない、10年前に戻ったとしても、私は巧海くんが好きよ」
過去も未来も1本の繋がった道なのだから、過去の後悔や 未来への不安に捕われず、自分で選んだ道を進むことの大切さ、読んでいるこちらは作品を通して 教えてもらった気がします。
樽丘がいる同窓会では 何も起こらず、樽丘からの「いい報告」が聞けるはず! もしかして結婚報告でしょうか?
秋田さんと庄司にも もうすぐ子供が生まれそうですし、みんなが幸せそうな笑顔でラストを迎えていて、素敵なハッピーエンドだと感じました ^_^。
17歳を3度も繰り返し そのまま元の世界に戻ることなく10年――――なんて展開は、当然ですが1話目を読んだ時には まったく想像もしていなかったので、良い意味で予想を裏切られる 本当に面白い作品でした!!!