もくじ
1話 月刊 flowers フラワーズ 10月号
鯖ななこ先生の新連載が始まりました。今回の主人公は、高校生の綾という女の子です。
綾は母親と仲良しです。綾は毎日母親に天然パーマの髪の毛をまとめてもらったり、進学する短大を薦めてもらったりしています。
綾は母親を信頼しており、何かあると母親に相談して決めてもらうのが習慣になっています。
綾と母親の関係を見ていると、テレビドラマの『過保護のカホコ』を思い出しました。
主人公の根本加穂子が、毎日の洋服から大学の送り迎えまで、なんでも母親の根本泉にしてもらっていた関係に似ているなあと思いました。
物語が進むうちに、綾と母親の関係が少しずつ変化していくのが面白かったです。
綾の気持ちが変わるきっかけを作ったのは、高校の同級生の山川と、迷子の猫です。
今まで自分の人生について何の不満も疑問も抱いていなかった綾が、山川と会話することで気持ちが動いていくのがわかりました。
綾は自分と似たタイプの女子生徒と仲良くしてきたのですが、山川は綾とは性格や考えかたが違っています。自分と違う同級生を見て、綾がいろいろといい刺激を受けていく流れが面白かったです。
話が進むうちに、綾は母親と対立することになります。でも、それは綾が自分の意見を言えるようになったということで、成長のあかしなのだろうなと思いました。
10代後半の若者の気持ちがていねいに描かれていて、とても面白かったです。
2話 月刊 flowers フラワーズ 11月号
今回は、モデルとして活躍する杏奈と、親友でカメラ女子の莉子の物語でした。
杏奈と莉子はもともと高校のときの同級生で、2人も26歳です。
杏奈と莉子は地元から上京して同居しながらお互いの夢を叶えるためにがんばっていました。
しかし、元同級生たちとの女子会をきっかけに、2人の道は分かれていってしまいます。
思いがけない事実を莉子から告白された杏奈が、心を閉ざしてしまう流れが、ちょっと辛かったです。
気持ちの行き違いから杏奈と莉子の間に距離ができてしまうのも、辛かったです。
莉子が自分の決断を杏奈に話せなかったのは、杏奈と離れることが悲しくて、うまく言い出せなかったのだろうなと思いました。
杏奈が莉子に対してつい言いすぎてしまったのも、今までずっと一緒だった莉子の気持ちがわからなくなったからなのだろうなと思いました。
お互いに気持ちがたかぶってしまって、つい言わなくていいことまで言ってしまったという場面が悲しかったです。
杏奈も莉子も、相手のことを大切に思っているのに、いざという時に相手のことを大事にできなくなってしまうというのが、辛いなあと思いました。
杏奈が日常でさまざまなことを経験しながら、親友との別れを静かに受け入れていく流れが良かったです。
自分の現状を直視するのは、とても難しいことなのだなと痛感しました。
自分の夢や友人を守るためにどうすればいいのか、大きな決断をした杏奈の将来が、明るいものになるといいなと思いました。