ナガトカヨさん/ヒトエ真琴さんの連載作品「暴君のシンデレラ ~大正溺愛浪漫譚~」の最新話が読めるノイコミは、毎月第2・4金曜日に発売です!
もくじ
21話 5巻 noicomi vol.132
出版社 スターツ出版/2024年11月22日 発売
偽りの田舎令嬢、幼馴染みの王子様を攻略中 ~意地張る2人の恋愛攻防~ / 分冊版1~10巻 -今だけ無料-
2023年9月14日まで
「ねぇクート 話って何?」
「…リリアルは お姫様になるのが夢だったよな」
「う うん…」
「だったら」
「俺は それにふさわしい立派な王子になる」
「クート…」
「今日はそれを言いたかったんだ…」
「えっ それだけ?」
「えっ」
「ふさわしい王子になってどうするの?」
「そ それは…」
「言えない…」
「なんで?」
「なんでもだ! べつにいいだろ!」
「…。」 むうっ
「…じなし」
「は?」
「意気地なしって言ったの!」
「クートの弱虫 泣き虫! こんなクートに王子様なんて 一生無理!」
「な…っ?! それを言うなら がさつで わがままなリリアルだって!」
「一生 お姫様になれっこない!」
「この…っ」
「いつか私がお姫様になっても 口きいてあげないから!」
「それはこっちのセリフだ! わがままリリアル!!」
「クートなんか…っ」
「大っ嫌い!!」
「……最悪の夢」
【リリアル=リーフェニア】
「なんで今さら あんな昔の…」
「っと… ひどい顔」
「こんなのじゃだめよね」
むにっ 「よひっ!」
「今日も私は」
「お姫様」
【カリストロス王立学院】
「今日もリリアル様は綺麗ね」
「さすが“東の花”と謳われるだけある…」
「外面だけでしょう? 田舎の花が…」
「そんなことないぞ! この前 怪我をしたらハンカチをくれて……」
『――そうでしょう』
『なんて言ったって 私はお姫様になるのが夢だもの』
(今日もどうやら完璧みたいね…)
「どうしたら あんな綺麗な笑顔ができるのかしら… やっぱりマッサージ?」
「まぁ! そんなはしたないことをするわけないわ!」
【今朝してた】
『私の通う この学院は 教育だけでなく 家同士を結ぶ お見合いの場としての一面があり』
『特に玉の輿を狙う才覚ある下級貴族にとっては 重要な出会いの場のため――』
「ねぇ ご挨拶 行きます?」
「私は…」
(みんなまだ浮足立っているわね…)
(…仕方ないか)
『クレイン=カリストロス 王位継承権 第1位の』
『誰もが夢見る 王子様が編入してきたのだから』
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