おちくぼは、シンデレラの平安時代版の古典作品『落窪物語』を少女漫画風にコミカライズした作品です。
継母にいじめられ落窪の君と呼ばれる純粋で内気な姫と、文武両道なプレイボーイ、藤原道頼との一進一退の恋物語が特徴です。
5巻では特に、今まで内気で悲観しがちだった姫が、自分にずっと慕ってくれる女中のあこきや道頼との交流を通して前向きに物事を考えるようになるシーンがお気に入りです。
それに伴い、姫と添い遂げようとする変態なお爺さんや怖い継母に対して、勇気を出して対抗できるようになったのに感動しました。
元々、姫の性格の良さが外に出ている一面が可愛くて大好きでしたが、今巻でさらに好きになりました。
また、最後の方では意志の強さや芯の通った様子が描かれましたが、そこも魅力的だと思います。
今まで奥手だった恋愛に関しても、少しずつ積極的になり始めたのも可愛いかったです。
姫のお相手の、道頼も可愛らしい人格の持ち主で、好感が持てます。
チャラ男のような印象とは真逆で、姫のことを一途に思う様子が大好きです。彼の一番の魅力は、とにかくポジティブな性格にあると思います。どれだけ姫に突っぱねられても優しくアタックし続けたのが、今巻になってすごく報われました。
姫と添い遂げることができて、舞い上がるシーンがお茶目で気に入っています。
一方では、姫を酷いやり方でイジメ続けた継母に対する報復も、しっかりと考えているのがカッコよかったです。具体的な方法は次巻を楽しみにしていますが、すごくスカッとします。
私は、この漫画の中ではあこきが一番好きで、5巻でも大活躍していて嬉しかったです。
姫を変態お爺さんの魔の手から助け出すために、様々な策を用意するシーンが面白くてカッコよかったです。
あこきは、この時代の女性では珍しいほどにはっきりと物を言う女性で、陽気で知的な性格が魅力的です。姫との絆や、彼氏の惟成とのほっこりするシーンが大好きです。
5巻での姫のピンチが過ぎ去った後、惟成があこきに対して求婚するシーンは特に気に入っています。
いつもは強気なあこきが、頬を赤らめて乙女のような表情をしていたのが可愛かったです。
5巻はお気に入りのシーンがすごくたくさんありました。
全編を通して、姫と道頼が急接近するシーンはキュンキュンして、良かったです。
テンポのあるストーリーと、可愛らしくて読みやすい絵柄、美しい建物や着物の描写が素敵な作品だと思います。