第8巻の盛り上がるところは、白翔高校吹奏楽部の初心者である一年生のつばさがいい意味で他の部員たちに影響を与えるシーンです。
名門だった白翔高校が北海道大会の予選で破れて全国大会に行けなくなってしまい、つばさも含めて全員が落ち込んでいました。
そんな時に顧問の杉村先生と、副顧問の真木先生の話していたことが印象的でしたが、これは部員たちのことをよく見ていないとできないことだろうな、と思いました。
この巻では、厳しくも吹奏楽部への愛情を感じることになるになります。
つばさばかりがトランペットのアンブシェアが崩れている、もっと音を出して、などとビシバシと真木先生にしごかれるシーンがありました。
ちなみにアンブシェアとは、唇の形のことです。トランペットは唇でドレミの形を作って音を出す楽器なので、練習では唇が疲れてアンブシェアが崩れると、一旦筋トレなどの別メニューに移ります。
この作品を読むだけでも、吹奏楽部はとても大変そうだと思います。
他の部員たちはつばさがかわいそうなどと話をしますが、つばさはクラスメートで野球部員の大介に励まされ部活を頑張ります。
そしてつばさにとって嬉しい出来事が起きました。
白翔高校を卒業したOBがつばさたちの指導にやってきて、つばさが高校からトランペットを始めた、というとそのOBがそれはすごいね、と驚いたことです。
真木先生のマンツーマンに近い指導の甲斐もあり、つばさもメキメキ上達します。
そこで、それを快く思わない一年生の部員が、小野さんばかりズルい、私だって先生に個人的に見てもらいたい、などと話をするようになります。
ある日の部活が終わった後、一年生部員だけが集まって話し合いをする場が設けられました。
小野さんが先生にひいきされている、という意見が出ましたが、小野さんはそれについてどう思いますか、と問われたつばさは戸惑います。
しかし、つばさと同じトランペットの水島がくだらない、ソンナコト話し合って音楽がよくなるの、と発言したシーンがとてもカッコよかったです。
つばさがひいきされている、という意見を出したのは三石さんという、つばさとは別の楽器担当の一年生でした。
入部当初はおどおどしていたつばさが、三石さんと正面から話をするシーンがとても印象に残っています。
二人が波羅を割って話をするシーン。この辺りはやはり、部活マンガらしくて好きです。
それから一年生部員はみんなで自主練を始めたり、また話し合いをしてまとまるようになったりと色々ありましたが、初心者から始めたつばさが頑張っていることで他の部員たちの刺激になっているのがわかって、吹奏楽とはメンバーの調和が大事なんだな、と改めて思った巻でした。