偽装結婚のススメ　最新話 / 41話

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『大宸国 健光２年』

「小玉 入るぞ」

「…いつもの儀式だな」

『副官　周 文林』

「うん！ 文林」

「出陣前は こうでなくちゃ」

『大宸国将軍　関 小玉』

「明慧」

「みんな準備できてる？」

「いつでもいいよ」

「敵の数 約３５００ 朝廷に不満を持つ義賊なんて言ってるが 中身の８割は ただのごろつきだ　　首領は元地方軍の武官だ」

「なるほど 夜明け前にはケリつけたいね」

「ちなみに その武官の側室は５人 正妻は夫の女好きにあきれて 実家に戻っている」

「息子が４人いるが どれもボンクラぞろい 年齢は上から30・24・22・21」

「唯一まともなのが三男 役所に勤めて３年になるが 出世できるタイプではないな　　長男・次男が既婚だが 長男の正妻は浪費癖がひどく破産寸前だ」

「次男の嫁は過食気味」

「四男は婚活中 目下の悩みは薄毛だそうだ」

「よく憶えてんねー」

「そもそも関係ないし」

「さすが記憶力のオバケ」

「さ――て 行きますか！」

「皆聞け！ 私と副官の文林は真っ先に敵の頭を叩きに行く！」

「騎馬隊は我らに続け！！」

「歩兵は乱れた敵陣を散らし 横に控える弓兵に撃たせろ！！」

「この戦 一刻もかからないと約束する！！」

「最後に残るのは」

「我が軍のみである！！」

「関将軍！」

「関将軍！！」

「関将軍！！」

「相変わらず かっこいいですね――！　　男より男らしい！」

「清喜！ あんた 従卒のくせに どこにいたの？」

「彼を紹介したくて」

「関将軍 お目にかかれて光栄です！」

「将軍にあこがれて 軍に入りました！　　今日が初陣となります！ この命尽きるまで 将軍にお仕えする覚悟でございます！」

「…歳は？」

「16になりました！」

『私の初陣も16だったと思う』

『毎日持っていた農具を剣に変えて』

『がむしゃらに働いて』

『戦って』

『戦乱の世を走り抜けた…』

『気づけば大宸国の将軍にまで のぼりつめ』

『気づけばいつでも隣には』

『片腕とも呼べる 副官の文林がいた』

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