極彩の家、4巻 感想
※ネタバレ注意です※
8月の夏期休暇、ルカのところへ行く事になった 烏羽と天藍。
外出先で着る制服として 準備してくれた服は、洋装！ たしかに 法衣じゃない天藍は、新鮮ですね。
極彩の家の中だと ほとんど和の世界観だけど、外では 洋の世界観が広がっているところが、面白いなぁと いつも思います。
外出前、烏羽だけ 僧からの注意が多い事を、笑う ルカと天藍。何だか 微笑ましくて、ステキなお休みになる予感が いっぱいです！
実際、本当にステキな夏休みを 烏羽と天藍は過ごせていましたからね。
初めての 電車の旅、初めて飲んだ サイダー、初めて見た 海。新しい体験を重ねていく2人を見ていると、こちらまで ワクワクしてきます！
最初は ルカのアトリエの、用意してくれていた二人部屋でしか リラックスできていなかった烏羽と天藍だけど、だんだんと慣れていく心の描写が 帽子で表現されていたのですね。
海に入って 楽しそうに笑う2人は いつもより幼く見えて、だけど いつも以上のスピードで成長していっている。そんな気がしました。
大事な人たちへ出すため 絵葉書を書く 烏羽と天藍の様子を、親のような気持ちになって 見ていました…！
ルカが「見せたいものがあるんだ」と言って 訪れた歴史博物館。そこには 烏羽の“黒”が使われた 漆黒の器が。
自分の顔料が使われた作品を 初めて見た時の衝撃は、色彩の子なら 誰でも体験する事なのでしょうね。
（この先、いつか俺が死んでも 俺の黒は残るってこと……？ それって すごいことじゃないか？）
譲り受けた 烏羽の“黒”が使われた器を、お母さんに贈った烏羽の想いと お母さんの涙に、思わず ジーンとしてしまいました。
烏羽とルカの関係について 実は心配していた天藍だけど、その心配が減った事も 嬉しい出来事ですね。
あっという間に過ぎ去った、楽しい夏休み。最後に、烏羽とルカが 今の気持ちを伝え合う事ができて、本当に良かったなぁ と思います！
この2人は 恋愛感情で想い合っているのでしょうね。そう感じさせる別れ方でした。
極彩の家に帰ってからは、天藍とナズナの距離も グッと縮まって、ナズナの前では いつもより素直な印象の天藍が、とても可愛いです。
そして、ナズナが極彩の家の庭師になった その経緯が明かされましたが、若い頃(15年以上前)のナズナが めちゃくちゃイケメンで ビックリしました(笑)
ナズナの人生を大きく変えたのは 梔子との出会いだった、という事にも驚いたし、梔子は ここを出る事なく亡くなってしまっている、という事実に 改めて切なくなります…。
天藍を 最高の花束で見送る事ができた時、ナズナは とても嬉しい気持ちで いっぱいになるのでしょうね。この2人は 親子みたいな感じ、かな？
この巻は 全体的に、烏羽と天藍が 仲良くしているシーンが多くて、すごく微笑ましかったです！
夏が過ぎ、秋になった 極彩の家を舞台に、次の5巻では どんな事が起こっていくのか、早く読みたくて 楽しみで仕方ありません。
