わたなべ志穂さんの連載作品「さようなら、エデン。」の最新話が読める妻プチは、毎月8日に発売です!
もくじ
30話 10巻 妻プチ 2024年12月号
出版社 小学館/2024年11月8日 発売
悪役令嬢レベル99 ~私は裏ボスですが魔王ではありません~ / 1巻 -今だけ無料-
2022年10月13日まで
それはちょっとした違和感からだった。(…あれ、この顔誰だろう。漆黒の髪に闇色の瞳…着物を着たら日本人形みたいだ。着物…日本…?それは…なんだっけ…)何これ。(私はユミエラ・ドルクネス5歳、それは間違いない。ということは…)これは前世の記憶、私は日本人の女子大生だった。
ズキ(20年分の記憶だものな、頭がおかしくなりそう。頭の中を整理しよう…)現世の私はバルシャイン王国 ドルクネス領在住、領主ドルクネス伯爵の長女。つまり貴族だ。だが両親は領地のドルクネス領ではなく王都の屋敷に住んでいる。それも私が生まれる前からずっと。
ふー…(情報すくなっ。何か他に…)よ……読めない……。「お嬢様…何かわけのわからない文字を書いているわ…」「おそろしい…ただでさえ黒い髪で気味が悪いっていうのに…」「ねぇ」「はっ、はいっ」「本を読みたいの。文字が知りたいわ」「すぐに家庭教師を手配しますっ」(会話できて良かった…)文字を学んだ私は屋敷の書庫に入り浸り、絵本から歴史や政治の専門書まで種類を問わず読み漁った。ようやくこの地を治める王族の名や細かい地名、国にまつわる伝説を知ることができた。その結果、私はとんでもなく嫌われているのでは?…という結論に落ち着いた。
もともとこの国は魔王を倒した勇者と聖女によって興された。その魔王が黒髪だったということで『黒髪は不吉』悪の象徴とまでいわれているらしい』さら…(メイドたちがよそよそしいのもこれが原因か、両親もさぞ私のことを嫌っているのだろう)あともう一つ勇者と聖女の伝説で気づいたのだが、ここ前世でプレイしていた乙女ゲーRPGの世界では?
そのゲームのタイトルは「光の魔法と勇者様」通称「ヒカユウ」そこは剣と魔法の世界。光属性の魔法が使える庶民のヒロインが王立学園に入学し、攻略対象たちと絆を深めながら強くなり魔王を倒すという、よくあるストーリー。親密度を上げるための学園パート、レベルを上げるためのRPGパート、この二つを交互に繰り返してストーリーが進んでいく。貴族しか通っていない王立学園で庶民のヒロインが最初はなじめないが、持ち前の明るさとやさしさで攻略対象たちの心をつかんでいく。学園生活の中でのイベントも豊富で、何よりハッピーエンドが多いのが特徴である。その一つが魔王を倒した二人が勇者と聖女とあがめられ結婚というものなのだ。
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