聖くんは今日も好きなのに　最終回 / 結末

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「今」

「なんと仰いましたか？」

「カイル様」

「何度でも言ってやるとも！」

「スカーレット・エル・ヴァンディミオン　　今 この瞬間をもって！ 貴様との婚約を破棄させてもらう！」

『一日前』

『パリスタン王国 王都グランヒルデ　　王立貴族学院』

「なぁ スカーレット様」

「最近はよく一人で帰宅してるじゃないですか～　　カイル様のお迎えはもう しないんですか？

「ええ そうです」

「じゃあ 俺らの暇つぶしに付き合ってくださいよ　　カイル様の家来になる俺らの面倒を見るのも 妻の務めじゃないですか～？」

「それは違いますわ」

「私とカイル様は婚約者ですが まだ結婚はしておりません　　よって あなた方は家来でもなんでもありませんわ」

「うっ」

「用がなければ これにて失礼致します」

「愛想笑い一つもできねーのかよ」

「さ～すが『氷の薔薇』」

「チッ」

「…いや 待てよ？　　彼女 昔は違う二つ名だったような…」

『ヴァンディミオン邸』

「お嬢様 お茶をご用意致しました」

「ありがとう セルバンテス」

「最近 遅くまで勉強をなさっておりますが」

「教養も魔法も 今の成績で大変優秀なので くれぐれもご無理はなさらずに と　　妹思いのレオナルド様からのご伝言です」

「お兄様のほうこそ最近忙しくて お顔も見られないのに」

「明日はカイル様が直々に主催なさる舞踏会ですし　　どうか早めにお休みください…」

「……」

「諸君！」

「このパリスタン王国の第二王子である俺の舞踏会に よくぞ来てくれた！」

「聞いてくれ　　今宵は諸君に 我が最愛の婚約者を紹介しよう」

「？」

「俺は ここにいる女性」

「テレネッツァ・ホプキンス男爵令嬢と 新たに婚約を交わし」

「妻として迎え入れることを宣言する！」

「…え？」

ワアアアア――

パチ　パチ　パチ

「！？」

「よって　　スカーレット・エル・ヴァンディミオン 貴様との婚約を破棄させてもらう！」

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