転生悪役令嬢は見せかけドS王子をお仕置きしたい　最終回 / 結末

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「ふたば 愛してる」

「ぼくと結婚してほしい」

「桐谷せんぱい いけません」

「あなたとは あまりに身分が違います」

「僕の気持ち これで伝わるだろうか」

「それは せんぱいの大切なジュエル…！！」

「これで ぼくの心は ふたばのものだよ」

「嬉しい…」

「ふたば……」

「せんぱい…♡」

「ふたば…」

「せんぱい…♡」

「ふたば…」

「――」

ピピピピ‥‥

「吉野さんっっ」

「やだ せんぱいったら」

「吉野さんってばっっ」

「意外に大胆…♡」

「いい加減 起きろ――っっ」

「三日月さん？」

「毎朝毎朝毎朝 気色の悪いもの見せられるルームメイトの身にもなってくれる！？」

「ごめん せんぱいの愛が深すぎて」

「聞――――とらんわっ」

「そりゃ宗教みたいに 壁に写真 貼りまくってれば 夢を見るでしょーよっっ」

「毎朝毎朝毎朝 言ってるけど いい加減 撤去してくれないもんですかねっっ」

「あっっ　もう こんな時間っ」

「せんぱい 今から会いに行くから待っててね♡」

「では いってきまーす」

「話 終わってないんだけどっっ」

「急げ――」

『あたし 吉野ふたばが通う 皇学園 高等部は』

『郊外の自然に囲まれた 丘の上に建つ　　国内屈指の 全寮制 超名門校で』

「ひっっ」

（こわいーっっ）

『狼をモチーフにした校章や彫刻が 至る所にある』

『ちょっと変わった学校でもあります　　犬が大の苦手のあたしには拷問です…』

「あっ」

「もう 結構 集まってる…」

『さらに 学園は あたしの居る「普通科」と　　政財界の大物やセレブのジュニアが在籍する「特別科」に分けられていて』

『普通科の生徒が許可なく 特別科の敷地に入ると 退学処分になってしまうという厳しさ！』

『特別科の生徒の姿が見られる 唯一の場所は　　彼らが登下校に通る この境界線の柵だけなのです』

「すみませーん　　ちょっと いれてくださーい」

「ちょっと 割り込まないでよっっ」

「あっ」

「特別科の皆さまが いらっしゃったわっ」

『そう あたしの王子さまは』

『この高い高い柵の向こうに―――……』

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