生贄のすすめ｜最新話4話【無料】ネタバレ

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

2024年1月25日まで

「――なぁ　　マジで俺達 つき合うか」

『―――――なんで』

『こんなことに』

『どうして』

『この強引で冷たい目に　翻弄されてしまうんだ――――――』

『私立 星常学園』

『創立百年以上の 中高一貫の名門校である』

『大企業や資産家 名家の子息子女が通う』

『まさにセレブの園』

『でもそれは 学園９割の生徒の話―――』

「あーら ごめんなさい 「わんこ生徒」さん♪」

「……」

「手がすべっちゃったのよ――」

「あなた「飲み物係」と「ゴミ係」でしょう？　　新しい水を買ってきてくれないかしら」

「悪いわねー　クスクス」

「他に用事はないか？」

「私達わんこは 生徒の役にたつために居るんだからな」

『私は桜野ひより 高等部二年』

『この学園で１割しかいない ワケあり生徒だ』

「あら あなたアネゴじゃない！？」

「あの「係」を３０も担当してるっていうわんこのリーダー？」

「「アネゴわんこ！！」」

「「宿題係」もやってるわよね 私のも頼むわ」

「私も」

「私も――」

「わかった まかせろ！」

「アネゴって超使えるし頼れる！」

「グチも言わないしね――♪」

『この学園には全生徒の自立を促すための「係」というものが存在するが　　実際には私達 一割の奨学生達が全ての「係」を担当しているのだ』

『セレブ生徒達に こき使われる私達は』

『「わんこ生徒」と呼ばれている』

（よし！　　あとは宿題４つと そうじ代行３件だけだな）

「あそこなんかモメてるな」

「わんこ生徒が俺らに反抗してる？」

「ナマイキー！」

「だーかーら　　「サッカー部お世話係」引き受けろって言ってるだけだろ」

「田中は もう係を五つもってて無理だって言ってんだろ」

「他のわんこ あたれよ！！」

「なに？ 俺らに はむかう気？」

「自分の立場 分かってんのかー？」

「アネゴ！」

「なんだよ アネゴまで はむかう気か？」

「――その係」

「私にまかせてくれないか？」

「アネゴ…！！」

「アネゴ！？ なに ひざまづいてんの？」

「こいつマジで「わんこ」だな」

「まーいーや アネゴで手をうってやるよ」

「ごめんな アネゴ…　　いつも わんこ(オレ)達の尻ぬぐいさせちゃって…」

「いや田中をかばってくれて ありがとな 石川」

「嫌な係や問題は全部 私にまかせればいい」

「…強いな アネゴは　　わんこ生徒のリーダーっていわれるだけあるよ」

「え？」

「俺も もう はむかったりしないよ」

「せめてアネゴの負担にならないよう…」

「俺らわんこは あいつらに絶対服従だもんな」

「アネゴごめんね 私も もっとがんばるから…」

「――――」

「コラッ 変に思いつめるんじゃない！ 笑え！」

「わんこどうし協力すればなんとでもなる！」

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