水槽夜曲　最新話 / 4話

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

『な…』

『なんで こんなことに…』

『やばい…　　あたしが こんなカッコしてるなんて…』

『天敵の生徒会長に見られたりしたら』

『ばーちゃんの代から続くチーム存続の危機…！！』

さかのぼること８時間

「お前 人にぶつかっといて そのまま行く気かよ？」

「なにこいつ ビビって何も言えてないし」

「竹内 ひまだしちょいシメとく？」

「ストレス発散？ やっとくか」

「や……」

「やめてくださ…」

「おい」

「なにやってんだよ」

「どけよ。」

「げ。出た」

「原始人！」

「チッ」

「天野あずき！」

「ちょっ… 行こうぜ 竹内」

「………」

「目障りなことばっかしてんなよ てめーら」

「くそ…」

クルッ

「ヒッ」

「いっ命だけはお許しを…」

「はあ？　見ただけだろーが」

私立帝明学院夕陽丘学園

まだ設立間もない 中高一貫の新設校

豊かな自然の中で 豊かな感性を育む　というのがモットーであり

交通手段がほとんどないこの地域に建つこの学園は 寮や送迎バス完備で快適な学生生活を提供しているのが特徴である

少子化で生徒の確保が困難なご時世に多くの生徒を集めている この学園の生徒の９９％は地元外からの生徒たちだ

ちなみにこの学園を誘致した戸勝村は

ご覧の通り山と田んぼしかない ド田舎である

（ド田舎で悪かったな　←１％の地元民）

「連休ずっと寮でゲームでー 頭ぼーっとしてるし」

「俺も俺も ネットしてたら あっちゅー間に休み終わってた」

「なんか もーすでにダリー」

「そんでー俺が一緒に海外行こうっていうんだけど 全力で拒否ってー」

「あーダルいよねー」

「なんか言葉通じないの めんどくさいっていうか」

「今度新しい奴 連れてくるとか行ってた もーなんか嫌」

「今いる友達で十分だよねー 仲良くなるまで疲れるしさ」

「うぇー見て 原始人だ」

「チビ猿」

「天野あずき」

「いつの時代だよ！ マジで！」

「チッ」

（なーにが原始人だ）

（街から来てる奴は これだから……）

はっ

（おっ… いけねー）

（一人でもチームに勧誘しねーと）

（にこやかに にこやかに――）

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