愛しのあの方と別れて千年｜最新話24話【無料】ネタバレ

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

2023年12月21日まで

「梶さん 今日も例のベルの子 来てますよ　　ぷぷ　あれで変装してるつもりなんですかね」

「ふ　さあな」

「瑞月 本当に足はもう大丈夫なのね！？」

「平気だって 職場にも走っていってるし」

「はは　姉ちゃんがホテルのベルなんとかなんて信じらんねーな」

「ベルスタッフ」

「じゃ 二人とも元気でね」

「２８になっても姉ちゃんの化粧っ気のなさ かわんねーなー　　それに相変わらず何考えてんのか わかんねーし」

「こら　瑞月は感情を表に出すのが下手なだけ！」

「まあ落ち込んではいなさそうで安心したわ　　実業団にだって もう少しいたかったに違いないからね」

『母さん　　淳也』

『ご心配おかけします』

『私は競技と事務職 二足の草鞋からの突然の異動で戸惑ってますが　　まあなんとかやってます』

「いらっしゃいませ」

『というよりなんとかやっていかねばならないんです』

「お荷物お持ちしま――」

落

「お部屋にご案内します」

迷

落 part２

（自分の使えなさに絶望する…）

『スタッフはみんな年下ばかり』

『情けないところは見せられない』

『私が今まで積んできた経験は ここではなんの役にもたたないんだ―――』

「あの…」

「ハイッ」

「スイーツビュッフェに来たんだけれど　　レストラン“オリオン”はどちら？」

「こちらです　予約が取れて幸運でございましたね」

「そうなの！」

「あなた 立ち姿ステキね　　お仕事 頑張ってね」

「梶さん いらっしゃるかしら」

「楽しみねえ」

「あり…　　がとうご…」

『そうだ やれることから頑張ろう　　早く一人前になれば』

「佐原さん 運ぶのお手伝いします」

「いえ一人で大丈夫です」

『新しく居場所もできるはず―――…』

「困ったわね 佐原さん」

「表情は固いまんまだし」

「仕方ないんじゃないですかあ？ 接客初めてでしょうし」

「空気読めないとこもちょっとね」

「さっきも助け船じゃなくて　　あなたにお客様の荷物を預けるのは怖いって意味だったんだけど」

「失敗しても反省してるのかどうか　無表情だし」

「わかるー　落ち込んでくれたら まだかわいげあるのにって思いますよねー」

〔佐原さん もっとマスコミに愛想よくできないかな〕

〔広告塔としてはイマイチだよな〕

〔彼女も もっと器用にやれたらいいのに〕

【休日】

「………」

「糖分が足りない…」

『そうだ 糖分が足りない』

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