今日夫にナイショで恋愛します｜最新話17話【無料】ネタバレ

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

2022年12月19日まで

〔チュッ〕

「報酬よ」

「ノイン」

「……」

「ノイン？」

「ん…」

「お嬢」

「もっと報酬がほしい…」

「ヴェラルデ！」

「ルミールに対して なんという口のきき方だ！　　彼女は俺の妻になる女」

「お前にとっては義姉だぞ！！」

「そうだとしても まだ婚約もしておりません　　彼女は位を持たない下級貴族の娘」

「公爵家令嬢である わたくしへ礼を尽くすのは当然の作法でしょう」

（こんな常識的なことも わからないなんて…）

「お前はいつだって俺のやり方に口出しをする！ 妹の分際で！」

「お兄様が頼りにならないからではありませんか　　どんな方と遊ぼうと自由ですが　　最低限の教養もない方を公爵家に招きいれるわけにはいきません」

「うるさい！」

「ここに 妹であるヴェラルデの勘当と」

「ルミール嬢との婚約を宣言する！」

『せいぜい今は自分の計画に酔いしれているといいわ』

『だけど わたくしとて　　負け戦をするつもりはないのよ…！』

【５年前】

「お母様ー！」

「旦那さまとヴェラルデお嬢様にお知らせを…」

「…来ていただけるでしょうか」

「旦那様は来ないかもしれない」

「だが お嬢様は…」

「お嬢様…」

「これだけ大騒ぎしていれば気付くわ」

「お母様が亡くなられたのね」

「部屋に入ってもいいかしら？　　それともお母様は死んでなお わたくしには会いたくないかしら？」

「お嬢様… そんなこと…」

（自分に似たお兄様ばかりを可愛がっていたお母様）

（わたくしは誕生日の贈り物しかもらったことがなかった…）

（１２歳(今年)の誕生は もらえないのね…）

ガッシャーン

「落ち着いてくださいませ ハイラム様」

「俺に指図するな！」

「何を見ているんだ！？」

「いつまでも母親離れ出来ずにおって…！」

「ハイラムは落ち着くまで領地に送る！」

（…まったく）

（お兄様も大概だけど お父様もだわ）

（お母様が亡くなって１週間…　　喪も明けぬ内から愛人の元に向かうとは…）

「お父様はお母様の血統と生家の財産が必要だっただけだものね」

「そんな政略結婚に愛があるはずもないわ」

「今日のわたくしの誕生日を祝う家族は誰もいない…」

「お兄様のように お母様に似ていたら良かったのかしら」

「整ってはいるけど可愛さのない わたくしの顔って」

『「まるで悪役令嬢ね」』

「え？　　いやだ 何を言っているのかしら？」

「そんなもの知らな…　　い…」

ズキッ

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