佐野愛莉さんの連載作品「仁義なき婿取り」の最新話が読める ショウコミ は、毎月5日と20日 に発売です
同時配信の電子版が 便利でオススメ!
もくじ
70話 14巻 Sho-Comi 2023年13号
出版社 小学館/2023年6月5日 発売
69話 14巻 Sho-Comi 2023年12号
出版社 小学館/2023年5月19日 発売
68話 13巻 Sho-Comi 2023年10・11号
出版社 小学館/2023年4月20日 発売
67話 13巻 Sho-Comi 2023年9号
出版社 小学館/2023年4月5日 発売
66話 13巻 Sho-Comi 2023年8号
出版社 小学館/2023年3月20日 発売
65話 13巻 Sho-Comi 2023年7号
出版社 小学館/2023年3月3日 発売
64話 13巻 Sho-Comi 2023年3・4号
出版社 小学館/2023年1月4日 発売
灰被り姫は結婚した、なお王子は 2022年4月25日まで単話1~4巻が無料
「あんたはウチの子じゃない。」
「使用人よ。」
『家族と呼べる存在がいない。』
『ずっと一人ぼっちだった。』
『そんな私に、』
「俺と結婚して欲しい。」
『王子様が現れた。』
「八重!」
《バシャッ》
「!」
「いつまで廊下で掃除してるのノロマ。さっさと夕飯の用意をしなさい。」
「―――…っ、」
「も、申し訳ありません 直ぐ…」
《すっ》
《どたっ》
「う……」
「さっさと行きなさいよ グズ。」
「…………」
「お嬢様も よくやるよ。 腹違いとはいえ 実の妹をあんなに いじめるなんて。」
「いじめたくもなるさ。」
「妾腹の妹が あんなに美しかったら。」
「姉なんだし 正妻の子で立場は上なんだから放っておけば良いのに。」
「ただの憂さ晴らしだろ。」
「八重様も こんな家の血を引かなきゃなぁ… あの美ぼうを生かしてもっと幸せになれただろうに…」
『この家に引き取られて十年。』
『それまでは母と二人 つつましく暮らしていた。』
『母はとても美しい人だった。』
『山に囲まれた田舎の貧乏暮らしでも 笑みを絶やさない人だった。』
「八重。」
「どんな時も笑っていれば、なんとかなるものよ。」
「貴方は私に似て 愛嬌があるから、」
「笑っていれば 誰か助けてくれるわ。」
「他力本願…」
「あら、笑顔は武器になるのよ。」
「どんなに辛いことがあっても笑うの。 八重。」
『母が亡くなって、』
『一人になった私を迎えにきたのは、』
『顔も知らない父だった。』
『母はこの人の妾だったらしい。 私が生まれてすぐ別れたと聞いた。』
『斜陽とはいえ 旧家である日野家に引き取られると聞いたとき、』
『少しだけ期待した。』
(お嬢様の暮らしって どんなものなのかな?)
(食べ物にも困らない暮らししてるのかな?)
『一つ上の姉がいると聞いてドキドキした。 私に新しい家族ができるんだと――…』
『でも 妾腹の娘なんて歓迎される訳がなく――――…』
「いたた…」
「姉上も容赦ないなぁ…」
〔はっ〕
《ぱんっ》
「―――うしっ!」
(こんなこと なんでもない。)
(笑え、私。)
『こんな日常がずっと つづくと思ってた。』
無料期間が終わっても サンプル試し読みできます! 気になったら ぜひチェック♪