本田楓さんの連載作品「従僕と鳥籠の花嫁」の最新話が読める別冊マーガレットは、毎月13日に発売です
同時配信の電子版が便利でオススメ!
もくじ
最終話 4巻 別冊マーガレット 2024年6月号
出版社 集英社/2024年5月13日 発売
宮廷女官ミョンファ 太陽宮の影と運命の王妃 / 1巻 -今だけ無料-
2023年3月28日まで
『――選ばれし吉日』
『今は亡き父さまも 天で驚いていることでしょう』
『まさか 私が王妃になるなんて…!』
「どうした 明花(ミョンファ)」
「気分でも悪いのか?」
「ううん 違うの」
「なんか急に 私は場違いじゃないかって思っちゃって」
「俺は適任だと思うぞ 図太いし」
「ひとこと余計よ! 畑作王」
「……」
ぷはっ
「似合ってるぞ その大礼服」
『金糸の翟に』
『五爪の龍』
「…ありがと」
『ちょっと前までは 徹夜でこれを仕立てる宮女のひとりだったのにな』
『――太白国(テベクこく) 王都・神陽(シニャン)』
「うぅ…」
ぐぅううう
「お腹すいた…」
【※針房(チムバン)見習い宮女 李 明花(イ ミョンファ)】
※針房…衣装や寝具の仕立てをする部署
(仕事が終わらなくて 3日もまともに食べてない…)
「ただいま戻りました」
「※媽媽任(ママニム)」
※媽媽任…位の高い宮女の尊称
「遅い! どこほっつき歩いてたんだい!? 明花!」
『ひぇ…!』
【針房の長 朴(パク) ※尚宮(サングン)】
※尚宮…女官の称号。側室を除く最高位。
「すみません 媽媽任! 公主様の採寸を終えてきました」
『遠いんだから仕方ないじゃない!』
「ふん」
「ならさっさと仕立てにかかりな!」
『でも… 何はともあれ お仕置きなしで良かった…』
「はい」
「ああそうだ」
「その前に 遅れてきた罰だ」
「足を出しな」
「…はい 媽媽任」
『いつものことだけど いくら私のことが気に入らないからって』
バシーンッ
『あまりにも理不尽だわ』
「いたた…」
「朴尚宮のムチ 容赦ないのよね」
「おや明花」
クス クス
「また朴尚宮に しばかれたのかい?」
「裁縫の腕は針房イチなのに かわいそうにねぇ」
キャハハ
「あんたなら すぐに※内人(ナイン)になれるだろうに」
※内人…正式な宮女
(完全に面白がってるわね これ)
「まぁ… 公主様に取り入るなんて 馬鹿なマネしなけりゃね」
「後ろ盾の先代王と王妃が生きていれば まだしも 大王大妃様 一強の時代に 幼くて権力もない 孤独な公主様に気に入られて」
「大王大妃様に媚びる朴尚宮に睨まれるなんて」
「下策もいいところだよ」
『策なんて考えてない 私はただ 公主様を悲しませたくなかっただけ…』
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