機械じかけのマリー　最終回 / 結末

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

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『眩しいスポットライト』

『羨望の眼差し』

『すべては この瞬間のために生きている――』

『私はずっと そう思っていた』

「あれ 茉里奈さん　　お昼ご飯 それだけですか！？」

「あら 相田ちゃん」

「いつも夜ご飯は抜いてるって聞いてますけど」

「いくらモデルさんでも倒れちゃいますって」

「・・・・」

「大丈夫よ 私にはこれが適量なの」

「茉里奈さん 私 心配ですよ～！」

「怒った顔も可愛いわよ」

「あ そうやって はぐらかす！」

「まあまあ 隣に座って？」

「あら？ 誰かと一緒に食べるの？」

「こ これは全部私のでして…」

「忍びないんで 向こうで食べてきますぅぅぅ！！」

「……気にしなくていいのに」

『私は食事を楽しんだことがない』

『この立場を得るために 捨ててきたものだから』

『だけど』

『なんて幸せそうな顔』

『私 一度も そんな顔をして食事をしたことない』

『「唐揚げ」って そんなに美味しいの？』

『私も食べたら そんな顔になれる？』

『あぁ 私……唐揚げを食べてみたい』

「姫様！ 姫様 起きてください！」

「からあげぇ～♡」

「わ～ おいしそぉ～」

「んぎゃっ」

「あ あれ？」

「お目覚めですか？」

「私の唐揚げがあああ！！ アイーダ どうしてえええ！」

「起きる時間だからですよ」

「ひどいよぅ～」

「嘘泣きしてないで ちゃっちゃとお着替えしますよ」

「さて 大仕事ですね」

『私の名は マリーナ・テンプーラ』

『テンプーラ王国の第二王女である』

『ところでこの国名 なんとなく美味しそうに感じてしまうのは　私が 前世の記憶持ちだから』

（最近 前世の夢を見ること多いなあ…　　唐揚げ…）

『全てを覚えているわけじゃないし　　前世の私と今の私は 全くの別人格だ』

『なのに　「前世の記憶」が関係しているのか」

『生まれてから暫くは 心にぽっかり穴が開いたみたいだった』

『そう』

『あの時』

『あの瞬間までは』

『美味しいって こういうことを言うんだ』

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