カリスマ ～きょうもへいわです～｜14話【無料】ネタバレ

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

2023年2月1日まで

『ずっと日陰で生きていくのだと思っていた――…』

『この日までは。』

「レイア様。」

ヒソ　　ヒソ　　ヒソ

「帝国の騎士様が なんの用かしら。　あんな魔力のない役立たずの姫に。」

「そもそも何故ここにいるのかしら。　引きこもっていればいいものを。」

「厚顔無恥も甚だしい。」

「ハインハルト殿 妹のような役立たずに なんの用です？」

「レイア様、」

「貴女は伝説の聖女です。」

「どうか この世界を救ってください。」

「私が……？」

『私には前世の記憶がある。』

『以前の私は 生まれた時から身体が弱く、　生活のほとんどをベッドの上で過ごすような人生だった。』

『両親とも縁遠く、』

『親族からは 世話が焼けるお荷物だと陰口を言われていた。』

『来世があるならば 草原を駆け回れるような健康な身体と自由が欲しい。』

『そう願っていたのに―――』

「レイア様。」

「礼拝の時間です。」

「わかりました。」

（どうして私を呼ぶのかしら。　必要などないはずなのに。）

【緑豊かなリドアナ王国は、】

【古くから魔力の強い王家によって守られ 平和を維持してきた。】

【王子や王女は 生まれてすぐに魔力を測定する装置に掛けられ、　潜在魔力や属性を調べられる。】

【そして、その属性を示す色で呼ばれるようになる。】

【現王は炎の属性から 赤の王と呼ばれ、】

【その強い魔力のおかげで、最近 大陸を騒がせている魔族からの侵略に怯えることもなく 国は穏やかだった。】

【王の子供たちも それぞれ色を冠した名前で呼ばれ、】

【国民は強く王家を支持し なんの問題もないと思われていた。】

【たった一人 色なし姫の存在を除いては――】

『今年１７歳になる この国の姫レイア。』

『それが私。』

『王に瓜二つの瞳に 母譲りの金の髪。　見た目は間違いなく王家の姫。』

『けれど私には 王家の資格ともいえる魔力がなかった。　それどころか属性すら持っていない。』

『魔力も属性も持たない私は【色なし姫】と呼ばれ、　王家のお荷物と言われて育ってきた。』

（健康な身体に生まれたのは なによりだけど、　またお荷物なのは変わらないな…）

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