恋のようなものじゃなく　最終回 / 結末

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

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「谷間ーに咲くー ひなぎく――」

「風にーそよぐー朝はー」

「露をーうけてー かがやくー」

「みどりー匂うーこみちー」

「…あ　　つぼみ開いてる」

「へへ 待ってたよ～」

「かわいいね～～　　スノーフレークちゃん♡」

（誰……？）

（窯の人じゃ…　　ない…？）

「すみませーん　　どいてもらえます？」

「陰になってるんですけど」

「あの… ここの窯に御用ですか？」

「私 窯の者なんで ご案内…」

「結構です」

「………」

（業者さん……？　　にしては無愛想やね）

（まあ いいや）

（続き描こ　　お待たせ スノーフレークちゃん♡）

（…あ よく見たら花びら３枚だ　　ガクの形 たまらんね…）

（もっとシンプルに描けんかな　　でもこのカーブと緑の斑点は生かしたい…）

「おはよー 青子ちゃん」

「今日も精が出るねえ」

「でも そろそろ行かんと遅刻するよ～～～」

「あっ」

「やばっ…」

「おはよ―――」

「ちょっとみんな 聞いてくれる？」

「真鍋龍生くんです」

「27歳…だっけ」

「…はい」

（この声……　　さっきの無愛想…！）

「これまで海外で作陶活動してたんだけど　　磁器を学び直したくて 長崎・保佐見の町に来たそうです」

「真鍋です… よろしくお願いします」

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