クズな君しか愛せない　最終回

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

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『不幸は雪だるま式 泣きっ面に蜂』

『野崎芹 大学生 二十歳』

「野崎さん　　ごめんなさい 息子の不始末で」

「ああでも 無事でよかった　　さぁ離れてっ くずれるといけないわ」

『バイトをクビになって３時間後』

『ここ京都で宿無しにまでなってしまった』

『これは ある意味』

『人生最大のピンチかも―――』

「うん 私は大丈夫　　自分で何とかするよ」

《ちょっと 芹…！》

「ありがとね あゆちゃん」

「あ もう…残り15％」

（免許証とかも無事でよかった）

（現金は少しだけ…　　ホテルに泊まるのも 経済的に厳しい）

『自分で何とかしないと』

（屋根のある遊具があればなぁ…）

（振袖…　　黒い揚羽蝶みたいな）

（ひとり？）

（とんびコートの男…　　服装からして親子？ 叔父さんと姪っ子？）

「はい」

「…？　　綺麗な振袖だね よく似合ってる　　汚さないようにね」

「……」

『この笑顔 見覚えが…』

「……驚いた」

「見えるのか」

「へっ？」

「見えるって何が――」

「――何って」

「これに決まっているだろう」

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