ライアー×ライアー、最終話 完結10巻 感想
※ネタバレ注意です※
金田一蓮十郎先生の名作「ライアー×ライアー」の最終回の感想を書いていこうと思います。本作品は主人公の「湊」と義理の弟、「透」の禁断のラブストーリーになっています。
冗談のような嘘や勘違い、紆余曲折を得て、2人が結婚した後の話が最終回になっております。
私はずっとこの作品を追っていたので最終回では2人が付き合うくらいまではいくかなとは思っていましたが、まさかのご両親も同意の上での正式な夫婦になったのにはいい意味で驚かされました。漫画だからこそ出来るスピードとテンポのよさがいいですよね。
最終回の湊の試練はずばり「透と心身ともに結ばれること」。付き合っている時も軽いキスやハグ程度しかしていないプラトニックな付き合いを湊と透はしていたのですが、まさか夫婦になってもまだ最後まで進んでいなかったのか…!と2人のどこまでもピュアな関係にキュンキュンしてしまいます。
主人公の湊は、義理の弟である透のことが大好きです。でもその大好きがからまわってしまうことが沢山あります。
更に、湊の相談相手である友人の真樹ちゃんの助言がいつも冗談でしょう?というものばかりで笑ってしまいます。天丼な展開をわざと作者さんは描いているのだと思います。
最終回でもそんな友人真樹ちゃん節は変わらず、湊に女子高生のコスプレをしろ!きっと透は女子高生フェチなんだ!なんていうアドバイスをしてしまいます。
でもまぁ、この真樹ちゃんのアドバイスがなかったら湊と透が「ライアー(嘘)」で付き合うことにはならなかったので、私は真樹ちゃん大好きです。
さて、湊は真樹ちゃんの助言通りに女子高生のコスプレをして透を出迎えますが透は無反応…
悲しくなった湊は「自分に魅力がないからそうゆうことをしてくれないのかと真剣に悩んでいるの!」と透に思い切って伝えます。
透は実は血が繋がっていないとはいえ、小さい頃から大好きだった姉である湊と結婚できただけでもう満足しちゃってた。これ以上を望んだら死ぬかも。なんていう純粋過ぎることを伝えます。
そうなんですよ、透は本来カッコよくてモテモテ男子なのに、本命の湊のことが大切すぎて変に手を出せないのです。
「これ以上幸せになったら死ぬかもしれない」なんていう男性がこの世にいるでしょうか!純粋すぎるし純愛すぎます。
結婚しているのに、どれだけ透が湊のことを愛しているのか…と考えると透のことが愛おしくって読みながらいいこだね、今まで頑張ったねと頭をナデナデしてあげたい衝動に駆られました…!透は母性本能をくすぐるタイプの男性なんですよね。
そうはいっても結ばれたい湊は透の話を聞いても素っ気ない態度を取ってしまいます。その後の展開が素晴らしいほどに胸キュンポイントです。
湊のことを後ろからハグ!そして優しくキスします。
そして「死んでもいい」と透は湊を抱き上げます。
最終話にしてやっと2人は結ばれました。ベッドシーンに関してはセリフを入れずに爽やかに描かれているので、そういう描写が苦手な人でも大丈夫な描き方になってますのでご安心下さい。
むしろこの2人なら結ばれるシーンも甘酸っぱくちょっと不器用な感じに描いて欲しいと思っていた私は作者さんにありがとうと言いたいくらいです。
ラストのコマは結婚指輪をした2人の恋人繋ぎです。
湊の「ライアー(嘘)」から始まった2人の恋愛を締めくくるのにこれ以上最適なコマがあるのでしょうか。いや、ありません。
小さな頃は可愛い義理の弟として、思春期の時は嫌いな弟になってしまったものの、最後は大好きな旦那さんになったという流れがサラッと描写されているところも素敵で、2人の長い「ライアー(嘘)」が真実になって本当に良かったなと心から祝福したい作品となりました。