流れ星レンズ、最終話 完結10巻 感想
※ネタバレ注意です※
主人公の凛咲ちゃんの性格がすこく素直で優しく癒されます。
その凛咲ちゃんの親友のゆっこたんも元気いっぱいで、仲の良さが伝わってきます。
絵本の中から出てきた地図を見て宝箱を探しに行くところなんかはふたりとも可愛くて大好きです。
元気いっぱいで積極的なゆっこも彼氏のハルくんのことになると急に女の子っぽくなって、体育館でゆっこの「がんばれー」に対して「がんばれって言われたからがんばる！」はふたりのいい関係性が表れています。
宝の地図が実は夕暮くんが昔書いたものでゴールが夕暮君の家なことも少女漫画っぽくて可愛いです。
文化祭のシーンでは、フジモンとゆっこ、武智と愛美、ハッチ―とトモなどみんなの恋模様が一気に進展していきます。
みんなそれぞれ遠回りしてきたけど、最後は自分に素直になってそのままの気持ちをぶつけ合っていてこれぞ青春だなという感じがしました。
それぞれのキャラクターの個性が溢れています。凛咲ちゃんは壁新聞の編集長として、夢中になって頑張れることを見つけます。
夕暮君がちょっと寂しさもありつつ見守っている感じも可愛いし、お互いがくっつきすぎずいいバランスで付き合うことが上手くいく秘訣なんだと気づかされます。
文化祭の最中に、壁紙新聞を読んで、凛咲ちゃんの頑張りや魅力を改めて感じてより愛おしく感じ、相変わらずまっすぐ夕暮君のことを想っている凛咲ちゃんと一緒に屋上で文化祭の終わりを知らせる放送を聞きながら幸せを噛みしめています。
2回目に窓ガラスが割れたときの夕暮君の笑顔からはいままでのいろんな想いが伝わってきて、すごくキュンとさせられます。
こんな青春時代が送りたい！！と誰しもが感じる描写だと思います。
短編の2つの話も短いなかに魅力が詰まっていて、「流れ星連洲グラマラススター」では、環目線で香織がきれいになったことを嬉しく思いながらその理由がわからずに複雑な思いを抱いてちょっとスネた態度を取ってみたのが、それが自分のための変化だったと分かった時の環の嬉しさがすごく上手に描かれているのと、純粋にまっすぐ環を見ている香織がとてもきれいだなと思いました。
ふたりとも美男美女で憧れのカップルだなと思います。
夕暮くんと凛咲ちゃんにはない大人っぽさがあるところも好きです。
「流れ星レンズtwo star」では、優しい担任の先生が昔から憧れていてなりたかった大人のことを話していて、その人が校長先生として生徒みんなから愛されている太郎校長先生であることがわかります。
校長になっても変わらずみんなから愛されている太郎先生にまた新たな憧れができたことがわかります。
それに加えて、放課後生徒に囲まれているような先生自身がその道を歩めているんだよと太郎先生に気づかせてもらい、憧れの人に近くで見ていてもらえる幸せ、認められた嬉しさを感じることができて感動的でした。
高校卒業から7年後、それぞれ環境が変わっても何も変わらない夕暮君と凛咲ちゃんがとても素敵に思えます。
ゆっこはもちろん、武智、フジモンなどみんなとの関係性もまだ続いていて、みんなで中学校に遊びに行って先生と再会する場面はとっても和やかで好きです。
凛咲ちゃんのことが大好きで将来のことを考えている夕暮君の不安になる気持ちもすごくわかるし、ずっと変わらず築きあげてきたものを変化させることは勇気がいることだなと思います。
そんなときに限って凛咲ちゃんが家のドアの前にいて、「一緒に住みませんか？」という夕暮君に対して、凛咲ちゃんが笑顔で「不安や不満は何もない！」と答えたときは、すごい安心感があったろうなと思います。
それと同時にこのふたりならこれから先ずっとお互いに信じあっていけるんだろうなと、こんな関係性を築いていくことを私自身の目標にしていきたいなと幸せな気持ちになれました。
