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結末

舞姫 テレプシコーラ 最終回 10巻 ネタバレ注意

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舞姫 テレプシコーラ、最終話 完結10巻 感想

※ネタバレ注意です※

テレプシコーラは主人公の六花ちゃん、お姉さんの千花ちゃん達がバレエに熱心に取り組んでいく物語です。山岸凉子さんの作品となっています。

最終話のお話をしたいのでいきなりネタバレですがお姉さんの千花さんがプロバレリーナを目指していたのに足の怪我をし、何度手術しても失敗し自殺をしてしまいます。

最終話ではそんな壮絶な体験をした妹の六花ちゃんの成長や決心、バレエへの思いが短いながらもぎっしりと描かれています。

バレエ団の公演をすることになった六花ちゃん。今回は例年通りの「くるみ割り人形」ではなく、生徒達が演じたい踊りをする公演をすることになりました。

「くるみ割り人形」で見事に踊り、そこで怪我をしてしまったお姉さんのことを思い出して涙目になってしまういつもの弱虫六花ちゃんですが、お姉さんの陰口を言う生徒に「姉のこと冗談でもそんなふうに言わないで!」と言う事ができました。

六花ちゃんは今まではずっとうじうじしていて、自分に自信が無く言いたいことを言えない子でしたのでここでの六花ちゃんの成長には感動しました。

成長のきっかけが姉の自殺、というのがシビアですが、それが漫画家山岸凉子さんなんですよね。

さて、肝心のバレエ公演ですが六花ちゃんは先生に「パキータ」をやらないかと誘われますが「どうしても踊りたいものがある」とキッパリ断ります。

バレエ教室を営んでいるお母さんにも何を踊るのかは話しません。きっと話したら止められるからです。

実は六花ちゃんはバレエの中でもクラシックよりコンテンポラリーが好きな子です。

クラシックは皆さんが思い浮かべる普通のバレエのこと、コンテンポラリーはバレエの新しいジャンルで固定概念に囚われない自由な踊りです。

コンテンポラリーは振付師もいますが、自分で考えて踊るというのもありで六花ちゃんはそれを得意としています。

と言っても全10巻でそれを詳しくは描いてはいませんでした。少しづつ才能を開花させるシーンはありましたが。

その六花ちゃんの得意とする演技を最終回に持ってきたのはさすがというところです。

六花ちゃんは自殺した姉が「トゥオネラの白鳥」を見事に踊っている夢を見て、涙します。

姉は死んでもバレエを踊っているんだ、それなら私も負けないよ、という風に夢を元に難易度の高い作品を自分で考え、披露していきます。

とは言え、まだ発展途上なので踊りも何回か失敗してしまうのですが、そんなことはお構いなしに高度な踊りを披露していきます。

六花ちゃんってこんなに踊れたの?いや、そんな根性があったんだ!色々な辛い経験を乗り越えたからこそ、今の六花ちゃんがいる。

そしてその踊りを今まで六花ちゃんを支えて来てくれた人が見守ってくれているシーンに思わず涙ぐんでしまいました。

バレエのポーズも一コマ一コマ丁寧に美しく描かれ、説明も細かくされているので、バレエを習ったことがない私でも今どんなに辛くて凄い踊りをしているのか伝わってきてハラハラしてしまいました。

六花ちゃんはきっとこれからプロバレリーナになる、しかも異質のコンテンポラリーバレリーナとして…というところで最終回は終わります。

もっと六花ちゃんの成長が見たい!続きを読みたい!というところで終わってしまいます。そのヒキがまた上手くて脱帽です。

この作品は登場人物が沢山出てきますが、良く読んでいると六花ちゃん以外の人はあまり成長していないです。

こんな書き方をするとあまり良い印象は持たれないかも知れませんが、逆に考えると主人公六花ちゃんの成長をメインに描いているとも言えます。

それがシンプルで、分かりやすく感情移入がしやすい作品となっています。

気になった方は是非お手にとってみて下さい。


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